10/24
第九章 証明
朝になっていた。
窓の外が明るくなっている。
男はパソコンを閉じた。
結局、
宇宙がなぜ存在するのか。
なぜ「無」ではなく「有」なのか。
答えは出なかった。
神がいるのかも分からない。
魂があるのかも分からない。
輪廻転生が本当に存在するのかも分からない。
それでも、一つだけ確かなことがある。
今、この瞬間。
男は考えている。
疑っている。
問いかけている。
そして、
「自分は存在しているのか?」
と考えている。
もし存在とは、自分自身を証明する性質を持つものなのだとしたら。
考えているという事実そのものが、すでに一つの証明なのかもしれない。
男は最後にAIへ入力した。
「俺は存在してると思う?」
しばらくして、返事が来た。
「少なくとも、あなたは今、その問いを私に投げかけています」
男は笑った。
「それで十分か」
パソコンの画面が暗くなる。
だが、その暗闇の向こう側では、無数の星が燃えている。
岩がある。
水がある。
生命がある。
人間がいる。
そしてまた、誰かが宇宙を見上げている。
宇宙は今日も、
自分自身が存在することを証明し続けている。




