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足跡のアンファング~悠久の冒険譚~   作者: 荒樹
第一章 エルフの森
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第四話 エルフの大移動

「クソ、もう天使平野に戻れねぇ」

ユルトの中でエルフ族の会議が開かれた。

族長などのエルフの幹部たちを中心にほとんどのエルフが参加した。

もちろん、俺も参加していたよ。

母親の腕の中で、


「このままだと海にぶち当たる。それは何としても避けなければ!」


俺は、赤ちゃんエルフだから

なぜ、海を避けるのか

なぜ、こうもあっさり逃げるのか

とか、知らないことだらけだ


いくら本が読めても、メイドのおばちゃんに簡単な本しか、

今まで読んでくれなかったから

出来る事は本を読んで知識をつけることで精一杯だ。


「我々は今、エルフたちは天使平野を追い出されて湿地にいる」


地図を指さす


「地図を見る限りここから先は半島になっている」

「そうなると追いかけてきた魔物に逃げ場を潰されるのがオチですな」

「逆に半島を避けようとすると渓谷にぶち当たる」

「そこに逃げ込むしかないが、渓谷を渡るのには少々時間がかかり過ぎる」

「渡っている間に魔物でもきたら…」


想像しただけでも恐ろしい。


「確実に半島よりもひどい目に合うな」


エルフたちの会議は熟考していた。

天使平野に戻れない以上危ない橋を渡しかないのだが

どちらがより安全なのか

どちらの方が今後、生きる上で適しているのか

終わりなき会議が永遠と続き

決断ができなくなっていた


天使平野から追い出されて約一年、

俺は3歳になった。

エルフたちは今だに湿地にいた。

湿地ということもあり魔物の動きが遅く対処しやすく

逃げる必要があまりなくなっていた。

俺もほかのエルフもここでの生活に慣れてきた。

平和になりつつありここに永住しようと言う者も出てきた。


そんな中俺は3歳ともなったころには

メイドのおばさんが読んでくれた本を暗記できるまで読み

簡単な本はほとんど読み切っていた

なので俺はとうとう

父親が大切にしていた

難しい本を読もうとしていた。

父親のユルトは他のものに比べて本棚が多くある。

父親はエルフの中でも屈指の本好きだ。


ここにはもしかしたら魔法について書かれた本などが置いてあるかもしれない!

メイドのおばさんの目を盗んで

父親のユルトに忍び込む本棚の端から

本を一冊取り出す


“世界の歴史書”


魔法の本じゃなかったが、

歴史を知って悪いことなんてあまりないしな

とりま読むか…


本を開く

ページを一枚一枚じっくり読みめくる

本の内容はこうだった。

無からこの世界を作った五大力者という者がいた

創造神、武神、大天使、悪魔王、終焉の魔法使いの5人だ

創造神が生物と世界を作り

武神が才能というものを平等に分け与え

大天使が天界を作り

悪魔王が魔界を作り

終焉の魔法使いが理を作ったと言われている。


魔法使いがいるのだから魔法もある

疑問から確信に変わった瞬間だった。


「レインお坊ちゃま!! そこで何をなさっているのですか!!」


やべメイドのおばちゃんだ


それから毎日、本にかぶりつきずっと父親の本を読んでいた。

地理の本、歴史書、宗教の本、さまざまな本を読んだ。

しかし魔法の本だけが一向に出てこなかった。


俺は魔法の本が出てこないから

父親の本をすべて読破しようとしていた。

残り本棚が、一行になった時

それは夢のまた夢となってしまった。


「魔物の大群がきたぞ!」


いつもの比ではなかった。

逃げなければ

本能的にそう感じるものだった。


慌ただしいユルトを解体し

湿地を離れた。


運悪く間に合わない者や

沼に足を取られて身動きが取れなくなった者が

魔物に殺された。


俺は運よく生き残ったがたくさんのものを失ってしまった。

そこからは最悪だった。

魔物は執拗に追いかけてきて

渓谷を命からがら通り抜けたエルフだけが生き残った。


渓谷を通り抜けたら魔物は追ってこないと思っていた。

実際そうだった

でもそうでものなかった。

俺らは渓谷を抜けた後、別の魔物の大群に鉢合わせた。


「レイン!! ラトリーナ!! 大丈夫か!!」

「あなた!!」


最後尾で魔物の足止めをしていた父親があぶれた魔物を倒しに

こっちまで来てくれた。


「シャングリエルがきたぞ! みんな~生きいるぞ!」

「「「おおおおおおおおお」」」


どこからエルフの男が俺の父親の名前を叫び士気をあげていた。

俺の父親はただの本好きではないみたいだ。


そこで俺は、父親の戦っている姿を初めて見た。

俺はまだ小さいから一番安全な所に送られて

ここまで魔物の侵入を許したことがなかった。

なので俺は我らエルフが戦っているところを見たことがなかった。


父親が戦っている姿は

とても美しかった。

槍を大きく振りかざし魔物を薙ぎ払う

魔法で風を起こして自分の体を浮き下がりして

まるで踊るかのように倒していく。

小さい体で父親の雄姿を感じる。


父親のおかけで俺は九死に一生を得たが、

今回は前回の天使平野から湿地の移動に比べて

留まれる場所がなかった。


逃げている途中で冬がくると雪が降る。

凍傷で死人も出るが

止まるわけにはいけない。

魔物が迫ってくる。


俺らは止まれない。

途中で病が蔓延して半分以上のエルフが死んでしまった。

いつの間にか族長などや決まり事を取り図っていたエルフが全員死んでしまい

とうとう父親が族長になってしまった。


そして、俺は5歳となった。

昔から本を読んで知識をつけていた俺は度々父親に助けを呼ばれるようになった。

その裏で俺は独自に魔法の研究を始めていた。


降臨暦98年~降臨暦101年まで続いたこの大移動を

後にエルフの大移動と呼ばれる。

え、何で魔物から逃げずに済むようになったかって

それは、また次回!

お読みいただきありがとうございました

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