第三話 平原に住むエルフ
一旦、整理しよう。
俺は一度死んで、オールマスターによって転生しこの世界でエルフとして生まれた。
そして今、俺の周りには顔がいっぱいだ。
「まぁ、なんてかわいい子なのかしら」
「奥様、お疲れ様です」
「ねぇねぇこの子なんて名前なの?」
尖った耳をした小さな男の子が顔を近づける。
こえーよ
「シャフトお坊ちゃま、そんなに近づくと驚いてしまいます」
ナイス! 知らないエルフのおばさん!
「この子は、レインっていうのよ」
この世界での俺の母親らしき人が俺を抱きかかえる。
「へ~レインんて言うのか~おおきくなれよレイン!!」
やめろ、俺の顔をツンツンするな!
「これでカルロ家も安定ですわね」
「ありがとうございました。リーレン様、とても助かりました。 皆様にもよろしくお伝えください。」
「いえいえ当然のことをしたまでですわ」
どうやら、俺を生むのは相当大変だったらしくさまざまな人が助けに来てくれていたらしい
そして、このシャフトとかいう子は俺に興味津々に俺を見てくる
普通なら、見ものじゃないんだぞ!と言いたくなるくらいだが、かわいいなという感情が勝っていた
元教師だからか子供とは初々しく実に面白いと思ってしまう
「すまない、ラトリーナ、遅くなった」
「あなた!! もう大丈夫なの?」
「ああ、怖い思いをさせてすまない」
ドアをが壊れるんじゃないかと思うくらい激しく開けて飛び込んできた男は、
どうやら俺のこの世界の父親らしい
服はボロボロで返り血だらけ顔は泥だらけでいかにも戦いの後って感じだった
「やぁ、君が僕の息子かい、ああかわいいな~」
俺は、父親に抱きかかえながらおもった。
クサイ!!!!!!!
その思いは父親には届かず小1時間ほど臭い腕の中でやられ続けた。
数日後、俺は大体の状況を把握してきた。
まず、俺がいる場所は天使平野という平原らしい。
ここでは魔物が多く出るらしく、俺が生まれた日なんか相当だったらしい。
前の世界では魔法はあっても魔物は居なかった。
だからいかにもファンタジーだなと、魔法使いなのに思ってしまった。
そして、今俺が住んでいる家は厳密には家ではなくユルトと呼ばれる遊牧民などが使っている移動式住居らしい。
中から見たらとても俺が想像しているユルトとは、似ても似つかないのだった。
「お~~い、魔物の群れがきたぞ~~~!!」
「これ以上は無理だ、逃げよう」
この世界のエルフというのは天使平野を拠点とする遊牧民だった。
なのでこうゆうことは日常茶飯事だった。
魔物を対処できないと踏むと、
急いでユルトをたたみ逃げる。
まだ幼く小さい俺にとっては結構、酷だった。
「あ、おばさんとおじさん! お~い!」
大きな翼が羽ばたく音と共に見覚えのある顔が空で手を振っていた。
シャフトは、天使族だった。
後ろにはリーレンも居た。
その頃、俺はまだはいはいができるようになったばかりだった…
そしてこの時俺はふと考えた、この世界にも魔法があるのか。
生まれてから今日まで一度も魔法というものを見ていない。
そのことに気づいてしまったレインは魔法使いの血が騒ぎ始めました。
赤ちゃんの体でも出来る魔法は何かないかと考え始めました。
「ばぶばぶばぶばぶ」
おしゃぶりを加えながらはいはいで地面に術式刻み
設置型の魔法を発動させてみました。
ぼぉっと音を立てて小さな炎が出てきた。
成功だ!
この世界でも魔法は使える!
この世界でも俺は魔法使いとして生きることができる!
そう思った。
しかし、最初にやったのが炎魔法だったのがよくなかったのか。
その日以来俺の周りには監視役が付くようになった。
これでは魔法の研究ができないではないか!
どうしたものか…
そんなある日、父親が旅の商人から本を買っているところを見た。
こんなに毎日大変なのに本なんて読むひまがあるのだろうか。
案の定、読む暇など父親にはなかった。
すぐに本は荷台の中の奥底に眠ってしまっていた。
そこで俺は暇を持て余しているので父親の本を読むことにした。
ページペラペラ開く、
うん、なんて書いてあるのかわからない。
カタカナにハングルを混ぜたような文字で書かれた。
到底解読不能だった。
なので知らないエルフのおばさんだと思っていたメイドのおばさんに代読してもらい。
俺は赤ちゃんにして文字が読めるようになった。
そんなある日、俺らは天使平野の魔物に追い掛け回されとうとう平野を追い出されてしまった。
お読みいただきありがとうございました




