第二話 ここはどこですか?
記憶があいまいだ。
何が起きた思い出せない。
たしか、卒業式で俺の生徒が…
てか、ここどこだ。
目の前には本棚だらけ、しかも少し薄暗い。
しかも見たことない本が並べられている。
しかも、一部のよくわからない文字で書いてある。
タイトルもめちゃくちゃだ。
ほんとうにどこなんだ。
「こんチクワ、マスターが読んでいます。」
心臓が止まると思ったじゃないか、
なんだこの小娘?男の子?
性別が、分からない。
顔が包帯でぐるぐる巻きになっているせいもあるが、声での判別も難しかった。
あまりにも中性の声をしている。
俺は、こいつにつれられるまま迷路のような本棚を抜ける。
するとそこには、本棚二つ分の大きさをしたカウンターが姿を現した。
懐かしい香りと共に出てきたのは、大仏並みに大きい男だった。
顔には布がかかっていてよく見えない。
ただ確信できたのは、ただものではないということだけ。
「マスター、連れてきマウスカット。」
何だこりゃ、夢でも見ているのか?
「やぁ、私はオールマスター、マスター達の長にして全知全能な自宅警備員だよ。そしてこの子がマスターブック! よろしくね!」
はい?
理解が追い付かない。
てか、マスターって何?
気さくに前で手を振るこの巨人のことを脳が拒否している。
ただ一つだけわかることがある。
それは…
こいつが…
ニートだということだ!!
「えーと、きみは、確か…」
古びた本をどこからともなく本棚から飛び出す。
男の目の前で本が止まり宙でペラペラと音を立てながらページが勝手にめくられる。
「いや~すまないね、なんせ地球のワールドブックが燃えてしまってね…修復しないと見えないんだよ」
ワールドブック?
本当に何言ってんだ?
少しは頭の中の疑問を解決させたいのだが…
「ワールドブックとは、世界の理を記した本のことでありマントヒヒ」
うぁ、びっくりした。
後ろから急に声をかけないでくれよ。
ていうか、なんだそれ。
そんな本存在するのか?
「えーと、花川レイン 31歳 ・・・
淡々と俺の経歴を読み上げる。
横にいるマスターブック?とかいうやつは、謎にニコニコで気味が悪い。
一通り読んだのかオールマスターが本を閉じる。
「おめでとう花川レイン君!! 君には宝くじが当たった位のいい話と蚊に刺された程度の悪い話がある。そして君には選ばなきゃいけないことががたくさんあるこれからの人生をよく考えて答えてくれ。」
急に空気が重くなる。
気を引き締めて耳を澄ませる
「まず、いい話から行くぞ! きみは一度死んだけど生き返ることが可能だ。」
は?
「ちょっと待て… 俺、死んでいるのか? それならここは天国か?」
「そんなバナナわけないでショウケース」
もはや何言ってるのかわかんねーよ!! マスターブック!
「ここは天国と少し似ているけど大きな違いは、天国は亡者を集める。だが、ここは情報を集めているよ。」
オールマスターが手を大きく広げて告げる。
「ようこそ、万有の図書館へ!!」
めまいがする。俺は、死んだ…
生徒は、?
生きているのか?
「では、最初の選択肢を聞こう。きみは、生き返ることを望みますか?」
「ちょっと待て、俺の生徒は生きているのか?」
オールマスターが、少し困った顔をした。
顔自体は見えないけど確かに困った顔をしていると確信を持てた。
「あぁ、生きているよ」
それならなおさらだ。
俺は、まだ自分の人生を謳歌しきれていない!
だって、だって、彼女すらいないで人生終了とか。
絶対嫌だ!
それにあいつらになぜ、禁忌魔法を使ったのか聞かないといけない!
「オールマスター、最初の答えだ。生き返る!二度目の人生を送るよ」
「了解だ、レイン。だが、一つ警告しておこう。」
オールマスターが、新しい本を呼び寄せてる
「君の生徒と君が会う確率は非常に低い。そしてあったとしても君の望んだ回答がくるとは限らない」
「何を言っている? そんなこと当たり前だろ」
「一応な、」
いつの間にかマスターブックが消えていた。
「ここから悪い話だ。」
空気がさらに重くなる。
「君がいた世界は消し飛んだ。そして新しい世界が誕生した。そこに君の生徒や生き残った人がいる。」
あぁ、なるほど。
確かにあの世界が無くなること自体別に気にも留めないが、一度だけ一度だけ普通の電車に乗りたかったな~
「確かに蚊に刺されるほどの悪い話だ。」
「話は、以上だ!」
オールマスターが持っていた本が急に大きくなる
「君を新しい世界に生き返らせる」
本に描かれた魔法陣が体の周りに飛ぶ。
体の中から燃え滾るようなエネルギーが溢れ出る。
体に刻まれた不死魔法が変化し転生魔法に変化を遂げた。
あたり一面が見えなくなるくらい神々しい光が広がる。
レインの体が宙に浮く。
体の周りには魔法陣がいくつもの回っている。
「「「「転生魔法」」」
カメラのフラッシュのような光とともに新しい命が吹き込まれる。
ん、暗い。
おーいだれか、いるか?
「おぎゃあぁぁぁぁ」
声が出ない!?
ここは、どこだ?
俺は、どんな状況になっている?
誰か誰かいないのか!!
「どうしましたか? お坊ちゃま」
誰だこの女性は、妙に既視感のあるな。
この特徴的な尖った耳は…
エルフか。
そして俺は…エルフの赤ちゃんになったのか!!!
え、なんで?
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