4話ー玲子とカメラと使い魔
私はとりあえず、学校に行く。
前よりは、多少なりとも友達も居るから、とりあえずは行くことが出来ている。
勉強は少し、違うところもあるが、おおよそ同じだ。
前の世界でも、全く勉強が出来なかった訳ではなかったしで、それなりに適応は出来たつもりでいる。
篠島玲子はこの前の件以降、よく話し掛けてくれるようになった。
ボソボソ声だったり、クールな感じだったりと、振れ幅がすごく激しいが、それと少し人見知りな所もあるらしい。
それでも私に話し掛けてきてくれたのは、十島加奈子や姫野陽子が私と楽しそうに話していて、それでもって「私が悪い人には見えなさそうだったから。」らしい。
十島加奈子と姫野陽子は私に篠島玲子という友達が出来た事からか、過度な干渉をしてこなくなった。
篠島玲子は「今度、一緒にカメラを持って出掛けない?」と誘ってくれた。
私は「私、ちゃんとしたカメラ…、持っていないけど…」と言う。
篠島玲子は「カメラなら、私が東さんに話をつけるわ…」と言う。
さっぱり意味が分からなかったが、その意味は後日に分かった。
東嗣治が休みの日に、私をカメラの置いてあるお店へと連れ出したからだ。
篠島玲子も母親と一緒に来ていた。
篠島玲子のおすすめはファインダーで覗いて撮るタイプらしい。
その方が、集中が出来て良い感じに撮れるとか、何とか、と言っていた。
私は直感で一つのカメラを選んだ。
最初のおすすめはダブルズームのレンズキットらしい。
私は初心者なので、おすすめに従った。
そこそこの値段がしたが、必要なモノを買い揃えたら15万リベル(リベルこの世界では通貨の単位がリベルらしい)くらいしたが、友好費ということで、東嗣治が出してくれた。
そして、撮影をする日を約束して、私と篠島玲子は別れた。
私は父親から、カメラでの撮り方などを教わって、約束の日が来た。
お互いに良いと思った写真を撮っていた。
私は思いきって提案する。「良いと思う風景の構図にお互いに写りあわない?」
篠島玲子は「私が写真に残るのは恥ずかしい…」と言う。
私は「れいちゃんは可愛いから、良い被写体になるからね?」と言って、写って貰った。
しかし、気恥ずかしさが抜けないのか表情がまだ堅かった。
そして、私の作例に触発されてか、篠島玲子も「由利さんも撮って良い?」と訊いてきた。
私は「もちろん、いいよ」と答えて、篠島玲子からのポーズに指定をこなしながら、篠島玲子の方を見て微笑んだ。
私は篠島玲子が撮った写真を見せて貰う。
やっぱり、昔からカメラを使っていただけあって、すごく上手い撮り方をしていた。
私は「すごく良い…」と言う。
篠島玲子は照れた様子で「そうかなぁ…」と言う。
篠島玲子は才能があった。
私達は、お互いに構図など刺激を受けて、お互いの撮り方に影響を受けるようになった。
そして、カメラは私たちの趣味の一つになった。
私と篠島玲子は休日になると二人でカメラを持ち出して、何処かへ写真を撮りに行く仲になっていた。
写真を撮りに出掛ける道中。
一緒に出掛ける、姫野陽子と十島加奈子を見かける。
私は「あれ?陽子と加奈子じゃない?今日はどこへ?」と声を掛ける。
篠島玲子も「こんにちは…」と言う。
姫野陽子は「二人とも楽しそうね。私はこれから二人でショッピングモールへと行こうと思ったの。二人は撮影を楽しんできてね?作品を楽しみにしているから」と言って、姫野陽子と十島加奈子はそのまま、私たちの前から、人混みの中へさっと消えた。
私と篠島玲子は花がいろいろと咲く公園に入場した。
私は花と虫を撮ったり、篠島玲子に頼まれて被写体になったりしつつ、玲子にお願いをして、被写体になって貰ったり、二人は、それなりに楽しみながら撮影をしていた。
帰り道、列車から降りて駅前で別れようとしたときだった。
篠島玲子は言う。「由利さん、あぶない!!!!」
私が振り返ろうとしたとき、篠島玲子が私にタックルをして、私は突き飛ばされた。
上から、岩が降ってきて、地面に落ちた衝撃で石は砂になっていた。
篠島玲子はボソボソと詠唱をする。
そして、ため息を吐いた。
どうやら、上空に岩を落とした魔法使いがいたらしく、その人に対して対象限定の攻撃魔法を使ったが、逃げられたらしい。
私は言う。「追わなくて良いの?」
篠島玲子は「追わなくて良いわ、どうせまた、狙いに来るわ」と言う。
そして、篠島玲子は「どうせ雇われで、組織の情報なんか持っていないわ。仮に組織の人だったとしても、魔法で口を割らせるにも、その前のガード魔法が強固で解くのが大変だから、捕まえるメリットはないわ」と言う。
私は「そうなのね…」と言った。
そして、私達は今度こそ、別れて、家へと向かった。
学校では急に仲良くなった二人は、何故か羨望の眼差しを向けられるようになった。
男子が急に言い寄ってきたりしたが、篠島玲子も私もあんまり興味がなかったので、あんまり相手にはしなかった。
姫野陽子と十島加奈子は学級委員として、夏休み明けにある文化祭などの企画まとめていた。
篠島玲子は写真部の部員として、展覧会に参加するらしく、最近、カメラを始めた私も誘いたいらしく、私に写真部への入部を勧めてくれた。
私は、少し考えた上で、「入るわ」と返事をして、入部届を記入した。
あとは部長と顧問の決裁を待つだけらしい。
私は家に帰り、養父に「玲子に誘われたから、部活に入ることになりそう。後は部長と顧問の先生が認めれば入れるらしい」と伝える。
次の日、学校に行くと篠島玲子が来て「入部が認められたわ。だから、明日からカメラを持ってきてね」と言う。
私は「分かったわ」と答えた。
私は何事も無く授業をこなして、帰りの時間。
予報通りの雨の中、私は傘を差して帰る。
篠島玲子は部活で写真を撮るらしいので、そのまま学校に残っていくと言っていた。
??「あなたの娘。魔法が使えるね?」
それに対して父親の男性は「何のことでしょう?生憎、僕は魔法など使えないしがないの一般人で、妻も一般人で魔法は使えない。普通に考えて、魔法の使える子供は我が家からは生まれない」と言う。
???「お前に用はない。用があるのは変異者である娘だ」
??「この家から、魔法の気配を感じる」
父親は「何かの間違いでしょう?お引き取り下さい」と言う。
???「私の相方は魔法使いの気配を察するのが得意なのだよ。今、引き渡せば、あなたとあなたの妻の命は保障する」
その夜のことだった、私の電話に篠島玲子から電話が掛かってきた。
篠島玲子は怯えた声で「今、両親が玄関で誰かと言い争っている声が聞こえてくるの」と言ってきた。
私は「どういう言い争いなの?」と聞き返す。
篠島玲子は「魔法がとか、変異がとか、何かただ事じゃない様子なの。助けて」と言う。
私は養父の東嗣治に事情を説明した。
東嗣治はすぐに「わかった。車を出して護衛に行こう」と言い、車を走らせた。
東嗣治は篠島玲子の家が近くになったとき。
急に車を止めた。
東嗣治は杖取り出して「攻撃魔法着弾まで3,2,1着弾」と言う。
車の周りが閃光に包まれた。
だけど、無事だ。
??「五時の方向から老齢の魔法使いの気配と高校生くらいの魔法使いの気配を感じる」
???「めんどくせぇ。攻撃魔法で片をつけるか」
??「消えてない」
???「は???対攻撃魔法用の結界???」
???「高度な結界を短時間で…そのまま移動しながら、維持をしている…だと…」
東嗣治は車を降りて、篠島玲子の家の前にいる魔法使いに「やあ、久しぶりだね?魔法界の弾かれもの。王統派のお二人さん」
男性魔法使い二人は「クソッ」と言って逃げようとするが、逃げられない。
東嗣治は言う。「斗南家も図南家も、もう居ないのに何が王統派だ」
男性魔法使い一人が杖を振るおうとする、私は魔法を当てて、手から杖を弾き飛ばす。
もう一人が詠唱しようとする。
「そうはさせない」と言い東嗣治は口を塞いだ。
二人は取り押さえられて、魔法事件専門の警察署へ連れて行かれた。
篠島玲子の両親は「このたびは助けて頂き、ありがとうございました」と深々と頭を下げる。
東嗣治は「娘さんが、SOSの電話を私の娘に掛けていなければ、気づく事は出来ませんでした。娘さんの勇気も褒めてあげて下さい」と言い、そのまま、車に乗って私と帰路についた。
休みの日、私は写真を撮るために道を散歩していた。
すると、一匹の白い狐を見つける。
写真を撮った後、興味本位で狐を追いかけて茂みの中へ、入っていく。
すると古い祠があった。
白い狐は祠の中へと入った。
私はゾクッとした寒気を感じた。
背後に尻尾が九本の人型をした狐耳の女性がいた。
「何の用だ」
その狐はぶっきらぼうに言う。
私は「狐を追いかけていたら、迷い込んでしまって…」と言う。
その狐は「まぁ、良い。人なんか久々に見たものだ。帰りたいと言うなら別だが、話していかないか?」と言う。
私は「帰りたいです…」と言う。
その狐は「そうか…、残念だ。でも、また何処かで会う気がする。我の直感がそう言っておる」と言う。
私は狐に案内された道を下って、元居た道へと戻った。
??「私の使い魔になって」
???「珍しいお嬢だな。悪くないまぁ良いだろう」
私は週末の休みの終わりが近づいて、憂鬱になっていたとき。
ドアチャイムが聞こえて、玄関へ向かう。
すると、篠島玲子がいた。
しかも、この前に見た九尾の狐も一緒だった。
狐と私「この前の!!!!」
篠島玲子は「え?知り合い?」と言い怪訝な目をこちらに向ける。
狐は「この前、我の祠前に迷い込んで、迷い込んだというので、元の道へと返した」と言う。
私は「狐さんの言うとおりの事があったんです」と言う。
篠島玲子は「そんなことがあったのね。まさかそんなところで知り合いの知り合いを使い魔にしたなんて思っていなかったわ」と言う。
そして、写真を撮るために私を外へと誘った。
私たちはカメラを持って、外へと出た。
カメラを持って、二人で写真を撮っているとき九尾が言う。「明らかに狙っている」
そして、九尾は大きな獣姿になって、若い男性を咥えてもってきた。
九尾は「誰に頼まれてこんなことしているんだ。言え!!!!」とキツくせまる。
その男性は「言うから、言うから、頼む下ろしてくれ」と言う。
男性は「この前、魔法事件専門の警察に逮捕されたあの二人。それ以外にも色々と潜り込んでいる。俺はただ金に困って、金払いの良い人間について行ったら、こうなった一般人だ」と言う。
篠島玲子は「一般人だと思う?」と九尾に訊く。
九尾は「魔法の気配を今は感じないが、隠している可能性もあるからなこういう輩は」と言う。
私は魔法の気配を感じていた。
私は「この男の人、おそらく魔法を使えるわ。魔法の気配をわずかに感じるから」と言う。
男性は「バレてしまっては…」と言い、魔力を隠すのをやめた。
九尾は咥えた男性を振り回しながら「お前、嘘ついたな。我の前で嘘をつくとは良い度胸だ」と言い、咥えていた男性を山の方へ向かって、投げ飛ばした。
九尾の能力は圧倒的であると、私は感じた。
私は気になったので、篠島玲子に訊く。「変異者の魔法って、子孫に出たりするの?」
篠島玲子は「変異のギフテッドは受け継がないらしいけど、おおよそは子孫も魔法が使えるとは聞いたことがあるよ」と答える。
その上で篠島玲子は言う。「諸説あるし、魔法も科学に近いと言われている現代でこんなことを言うのは野暮だけど、魔法の世界は、神様はバランスを取るために変異者を出すって聞いたことがあるの。だから、変異者を遣わして、その上でギフテッドをかして苦悩しつつも活躍の場を見いだせるように、試練を与えると。聞いたわ」
私は「そんな説が…」と言う。
篠島玲子は頷く。
私にとっては、魔法の知識は驚きの連続だった。
篠島玲子は言う。「夏休みはもっと遊ぼうよ?」
私は「そうね…、遊びたいわ。」と答えた。




