99話 近づくものは
リザたちはアジトで息を潜めて生活していた。以前の戦いから三週間が立っても動くことができなかった。他のアジトも襲撃されて使えなくなり安住の地はここだけとなった。
テレビ『本日、無人ロケットの発射実験が……』
一人が気晴らしにつけたテレビで呑気なニュースをしていた。こんな時にふざけたことをしている連中がいるのだと彼らはは苛立ちすぐにテレビを消した。
今にに世界ではジェノサイドスレイの奴隷狩りは続いている。奴隷解放軍はいまだに音沙汰が全くなく、奴隷狩りを止めることができるのは自分たちだけ。しかし、ジェノサイドスレイに仲間が大勢殺されたため脱退する貴族や平民が出てきた。彼らが命懸けで戦う理由は乏しかった。資金も食糧も減っていく一方。そんな中、ある報告が入ってくる。
スジュン「逃走中の奴隷たちがジェノサイドスレイに追われてる。このままでは彼らが危ない!」
この状況で助けに行けばこちらが危うくなる。それでもリザは助ける道を選んだ。
リザ「みんな、私たちは奴隷解放団。助ける以外の選択肢はないでしょ!」
みんなが力を合わせれば何とかなる。この時はそう思っていた。
念のため戦闘の準備を整え、スジュンが言っていた場所に一同が向かう。何人かアジトに残ってもらおうかともリザは考えたが、スジュンが全員で行った方がいいと言った。
たどり着いた先は森を少し入ったところで見通しはあまりよくはなかった。そこには情報通り何人もの奴隷たちがいた。
奴隷「やつらに追われているんだ! 助けてくれ!」
バゲージ「早くこっちに!」
バゲージが誘導しようとすると周囲の木から煙が急に出てくる。リザはこの煙が人為的なものであると推測し煙から離れて逃げようとする。
リザ(ジェノサイドスレイが追ってきているということは、既にこの近くまで来ている。あえて彼らを逃がして私たちをおびき寄せた可能性もある。煙も罠の一部かもしれない。)
さまざまな可能性を模索しながら、ひとまずは森から抜けることを考えて一同は走った。アジトの近くまで車で帰投していると先頭車両から連絡が入る。それはアジトが燃やされているとの連絡だった。リザは車の速度を上げてもらい先頭に追い付きアジトの現状を目撃する。
リザ「そんな……」
炎は全体まで広がっており、今さら消化作業に入ったところで手遅れだった。最後のアジトを失うことになった。
アイル「まずい! 近くまで誰か大勢が来ている。おそらくジェノサイドスレイだ。」
能力の使用が遅れたため、察知するのが遅れた。
スジュン「こっちに逃げよう!」
目立つのを避けるため全員車から降りてスジュンの誘導通りに罠を仕掛けつつ逃げることにした。
ジェノサイドスレイは以前から作戦を立ていた。とある情報提供者から得た情報で奴隷解放団のアジトを一つずつ潰して今回で最後の一ヶ所となった。そして、逃げ場所を失った奴隷を今度こそ全滅させるために死神自ら指揮を行っていた。この時のために近くに拠点を設置し、メンバーを総動員した。しかし、死神の操る死体を始末した責任でシェリーとその部下たちは作戦からははずされていた。他数人も謎の失踪で不参加だった。
死神『今のところは奴等を誘導できている。現場は任せた。』
エースグ『任せてください、死神様。』




