93話 残った情
奴隷の死体たちがリザたちを標的に定め、自らの仲間を増やそうと襲いかかる。彼らは生きているように見えるため、リザたちからは攻撃できなかった。武器など使ってこない攻撃のため先ほど同様に回避はできたが、厄介なのは変わらない。三人はひとまず逃げることを選んだ。
アイル「ジェノサイドスレイのメンバーや生きている仲間の居場所は分かるが、操られている死体の居場所までは分からない。待ち伏せされていたら捕まる。」
再度、アイルは能力を使い仲間の位置を探るがここからの距離が遠く間に合わない者が多かった。それに生きている者は大分減ってきている。
リザ「仲間や奴隷の彼らを助けにいかないと! 」
アイル「……もうあまり残っていない。想像以上にジェノサイドスレイの数が多すぎる。それに対してこちらは逃げ場も武器もろくにない。」
走りながら話している間に、他の死体が迫ってきていた。壁際に追い詰められ危険な状態だった。
リザたちの目の前の死体たちが一瞬で見えない何かで切り刻まれた。死体を切ったのはジェノサイドスレイのミーアだった。
ミーア「この奴隷たちは既に死んでいる? 何がどうなって……」
死体が崩れ落ちて、ミーアの視界にリザたちの姿が映る。ミーアは標的のリザに銃口と能力の矛先を向けた。
ミーア「あなたが奴隷解放団のリーダーのリザね。」
リザ「だったらどうするの? 殺すの!?」
幹部のシェリーからは殺せとは指示されてはいなかった。それにミーアが独自に調べていた情報で気になることがあった。
ミーア「ゼスト・アライブという男を知っている?」
リザ「彼に何のよう?」
ミーア「知っているようね。生きているの?」
リザ「……」
ミーア「そう、一応生きているのね。感謝はしておく。」
ミーアは近くの壁を能力で空間ごと切り裂き、外に出る出口を作った。
ミーア「これで借りは返しておく。次は容赦しない。……早く行きなさい!」
リザ「……ありがとう。」
小さくお礼を告げた。リザは憎いジェノサイドスレイでも助けてくれた礼ぐらいはいうべきだと思った。複雑な気持ちで一度出口に出て、仲間の救出を考えることにした。




