92話 死神を名乗る二人
ゼストの中で時間が止まったような感覚がした。
ゼスト「俺の……せいで?……そんな」
既にジェノサイドスレイはここまで来ているということは大勢の奴隷が襲われている。彼はその原因が自分自身だと認めたくはなかった。あの時、助けを求めなければ良かったと後悔してしまう。助けを呼ばなければ死ぬのは自分だけだったはず。
一体何度目の後悔になるのか、何度自分のせいで人が死ぬのか、もう数えることすら嫌になる程だった。周りの人間のほぼ全てといっても過言ではない数を死なせ続けてきた。目の前の死神と名乗る男よりよっぽどゼストの方が死神と言える。
ゼスト「まるで疫病神、死神だな。」
小さく口にして笑ってしまう。死神ならいっそ目の前の男も道連れにしてやる。そんな気すら彼に与えた。
ゼスト「お前を撃てばこの戦いは終わるか!? お前のことは噂で知っている。ジェノサイドスレイのリーダー、死神。」
死神「お前に俺は殺せない。たかが雑魚がこの死神を殺せるものか。」
ゼスト「ただの雑魚じゃないさ。関わる者全てを死に追いやった本物の死神だ!」
照準など気にもせず、死神に向け撃った。操った奴隷たちを前に出して死神はそれを防いだ。奴隷たちは倒れてしまう。
死神「まさか、お前ごときが撃つ度胸があったとはな。それならお前の相手はあいつに任せよう。」
ゼストは背後からきたガイアに襲われても気絶させられてしまう。
死神「そいつを殺せ! 自称とはいえ死神を名乗られては不愉快だ。」
ガイアはゼストを氷で作った刃で刺し殺した振りをして死神とともに別のところに向かう。
リザたちはジェノサイドスレイの追撃を何とか振り切って逃げていた。
エースグ「すばしっこい害虫どもが!」
建物の壁などを爆破しながらエースグは進んでいく。リザは背後から追ってくる彼の出方を伺いつつ仲間を救出していた。今まで見てきた出口は使えないため脱出の方法も考えなければいけない状況だった。
リザ(あいつを倒しても他が来る。みんなは一体どうやって逃げているの?)
彼女の前に保護していた奴隷が数人現れて来る。
リザ「良かった。みんな無事みたいで。」
そう言った直後、彼らは彼女に襲いかった。咄嗟に彼女は回避するが、状況が全く理解できなかった。
リザ「みんな、どうしたの?」
スジュン「他の者も様子がおかしい。」
何とか合流できたスジュンとアイルが彼女の横に立つ。
アイル「彼らは生きている気配はしない。おそらく死んでいる。きっと能力で死体を操られている。」
リザ「そんな……」




