92話 アーサー2
ゼストは弾道を見切りかわしたつもりだったが弾丸の電撃が拡散され感電してしまう。
ゼスト(厄介な!)
痺れた体を休ませつつアーサーの次なる攻撃に対処しようとする。
アーサー「一度共有した能力を保存することで複数の能力を長時間使うことができる。しかも人格を変えることで能力を完璧に使用することもできる。これが私たちの最強の力! 格も次元も違う!」
彼女は瞬間移動を繰り返して風と電撃の攻撃を交互に放っていく。ゼストはそれに対して避けることしか出来なくなっていく。
ゼスト(く、敵の位置も攻撃手段も安定していない。パターンさえ読めれば!)
少しずつ反応が遅れ姿を捉えられなくなる。銃で撃とうが爆弾を使おうが瞬間移動で当たりさえしない。
ゼスト(……何かおかしい。どうしてすぐに俺を殺さない? できない理由でもあるからか? いや単純に俺を殺すための決定的な攻撃がないだけか! 避けるだけなら続けられるということ。)
彼は攻撃を一切止め回避のみに専念していく。
アーサー「逃げるだけでおしまい?」
ゼスト「いまだ!」
彼女が攻撃してくる直前のタイミングで彼は爆弾を上と前方に投げていった。
アーサー「その程度効くものか!」
瞬間移動で難なく爆弾を回避して同時にゼストの背後を取った。アーサーは至近距離で刀を構えて首を狙う。だがゼストはそれを読みきっており僅かな動きで回避する。
アーサー「バカな!?」
ゼスト「お前は回避にはほぼ必ず瞬間移動を使用する。後ろを狙ってくるならあとは攻撃の癖と殺気の具合で間合いを図れば簡単だ!」
勢いを殺さずに彼女の方に向いて両腕を掴まえた。そのままゼストは彼女の腕を燃やしていく。
ゼスト「これで瞬間移動もできない!」
アーサー「やられる! ……なんてね。」
彼女は燃えている腕を強引に引きちぎり再生の能力で瞬時に新たな腕を生やした。
アーサー「ボーレスの再生は便利だ。このくらいで私たちが負ける訳がない。そしてこれで終わり!」
ゼストが掴んでいた古い腕から電撃が流れて不意を食らう。本体から離れた腕から攻撃されるとは予想外だった。
ゼスト「ぐあああ!」
この一撃が決定的でゼストの動きを止めた。
アーサー「ここまでだ。最後に勝つのは最強の私たちだ!」
ゼスト(あとは任せた!)
その刹那に決着はついた。彼女の体にはいくつもの刃物が刺さり体力を奪い尽くした。彼女たちには状況が全く理解できなかった。
アーサー「え……私……が負ける!?」
彼女たちは体力の消耗によって倒れた。
ゼスト「間に合ってくれたか。」
爆弾で位置を知らせて遠くからの不意討ちをセリカたちに任せることで彼らは勝利した。敵に勝利を確信させ隙を生み出した。僅かでも遅れたら確実に死んでいただろう。
ゼスト「お前らが一人じゃないように俺も一人ではない。」
ゼストは彼女を目隠ししたうえで縛り上げて近くの木にくくりつけた。




