84話 残った平民は
爆発音が聞こえてくる。彼らがどのような結末を辿ったのか、ガイアは予想するまでもない。自分たちがしてきたことは無意味かもしれないと感じる。
ガイア(それでも託された思いは無駄にはしない。)
物資を補給しているゼストと合った。武器や通信機を手にして避難民のところに向かうことにする。
ゼスト「あの人はいつ来る? それに左手はどうした?」
ガイア「あの人の能力で回復したよ。左目も同じように。爆発は聞こえただろう、あの人はもう……」
ゼスト「そうか……」
ゼストにはそれ以外何を言えばいいか分からなかった。名前も何も知らなかった。自分がわがままを言わなければ死ぬ必要がなかった。自分が殺したものだと責める。一体これで何人目になる? そんなことが頭を締め付けてくる。せめてガイアの前では平常心を保とうと必死になる。
ガイア「……無理はあまりするな。それも無理なのかもしれないが。」
あと何人生き残っているかという疑問もガイアにあった。その僅かな生存者を守らなくてはいけない責任と重圧もある。
その生存者が向こうから助けを求めてやって来る。顔には悲壮感も漂っている。
平民「助けてくれ! あいつら自由の民の待ち伏せにあって何人も殺られた。」
ゼスト「何で、向こうには自由の民はいないはずなのに。」
思わずガイアの嘘をばらしてしまうが、そんなものなど気にしている状況ですらない。
ガイア「おそらく奴らは能力を使って避難民を包囲して奇襲した。戦いは奴らの方が上手だ。やられた!」
このままではここにも攻めてくる。多少なりとも武装した避難民たちがやられたのなら策なしでは無謀となる。
ガイア「生き残りはあと何人いる?」
平民「俺は必死だったから分からないが、四、五人いればいい方だ。」
ガイア(相手が能力を使っているため、どこまでが通用するか怪しい。こちらが待ち伏せをしてもそれを読んで来るかもしれない。移動系の能力も持っていると考える方が自然だ。)
ガイアは思考を凝らす。時間もない上、切羽詰まったこの状況では何も出てこない。
ゼスト「とりあえずまだ生きている人がいるなら助けに行こう!」
罠の可能性も考えているが、ガイアはついていくことにした。
そこには聞いた通り生存者が確かにいた。その中の一人がある提案をする。
平民「私の能力は壁を通り抜けることができるものです。それは皆さんに対しても使用出来ます。これでここから逃げましょう。」
ゼストと他の者もその案に賛同した。ガイアだけは賛同しつつも違和感があった。




