74話 氷で止めて
ガイア(支給された分もあと数回。それにしても人殺し以外に使うことがあるとはな。)
予想外の力の使用に少しだけ彼は嬉しく思った。復讐のためだけの穢れきったこの力が誰かの役に立つ日がこようとは思ってはいなかった。
彼はゼストに見えないように、能力を強化する注射器を取り出しそれを使用した。まだ副作用の頭痛等が残っていたが気になど止めない。
ガイア(まだ、効果はあるようだな。)
能力が強化されたことを鈍ってきている感覚で確かめる。準備を済ませ、作戦を立てる。
ガイア「俺はこの建物の構造はよくは知らない。そのため避難民たちを極力無傷で済ませ戦力を削っていこうと思う。」
ゼスト「ガイアがそっちを抑えてくれるなら俺は自由の民の人たちを説得して逃がす。もしくは無力化しなければいけないのか。」
ガイア「危なくなったらすぐ逃げろ。自由の民は死んでも仕方のない集団だ。お前や避難民の命の方がはるかに重い。」
ゼストは見殺しにはしたくなかったがガイアの言う通り、命には優先順位がある。全ての命は平等などそんな綺麗事は今の世界では誰一人言う者などいないだろう。
作戦通り二人は別れガイアは避難民を全速力で追いかける。ゼストは裏口に周り自由の民に知らせに行く。
ガイアは床を凍らせ滑りやすくして彼らにたどり着く。そこには殺気に溢れた者たちがいた。
ガイア「両手を上げてそこから動くな! 動けば凍り漬けにする。」
平民「ガイア様でも邪魔はさせません。私たちはやらなければいけない。」
平民たちは銃を仕方なく向けてしまう。
ガイア「少ししか会っていないはずだが覚えていてくれたか。しかし、俺にもやらなければやらないことがある! もう二度と愚かな俺のような人間を生み出すものか!」
ガイアは一切出し惜しみせず能力を使用する。彼ら持っている銃を氷結させ、通路を氷で塞ぐ。それが済めば彼らの足に影響は少なくなる程度に靴と床を凍らせて動きを封じる。
平民「動けない!」
ガイア「大人しくしてほしい。」
これでガイアはひとまず済んだと思った。次は自由の民のところだと。だが、これで全員ではないことに気付けなかった。




