72話 真実が動かすもの
ガイアには言ったものの、ゼストは真実を知ってはいても避難民の彼らは真実など知りはしない。ジェノサイドスレイに捕まっていた者たちも何もきかされないまま解放されていた。ジェノサイドスレイ側は盗聴で真実をおそらく知っていたであろう。
真実は伝えるべきなのは分かっているが、場所が自由の民が用意したところ。自由の民も何人かいる。
ゼスト(みんなはどう思うだろうか。それほど仲良くはない俺の言うことを信じるか? 俺ですらガイアを信じようしなかった。書類とガイアの説得で目を覚ました。それでも、たとえ嘘つきと言われても俺には伝える義務がある!)
彼は考えながら自由の民が用意した建物に入っていく。中には今だに多くの避難民と彼らを世話する自由の民らしき人たちがいた。これでは自由の民はただ人助けしているようにしかゼストには見えなかった。
それを壊すと分かっているが自由の民の目を掻い潜り、避難民の彼らを集めた。突然の呼び出しにみんなは従ってくれてはいたが困惑と疑問を抱いていた。ゼストは緊張しながらも自らが経験したことを含めて真実を告げてしまった。
平民「そうだったのか。辛かっただろう、話してくれてありがとう。ゼストさんはここから逃げてくれ。私たちも後からここを出る。」
その男は表面上は穏やかな顔のままだったが、内心は怒りで溢れていた。他の者もみな同じような様子だった。ゼストはそれに気づくことができないまま外を出てしまう。
ゼスト(みんなも辛いだろいに気遣ってくれて……。)
そこに遅れてガイアが来る。
ガイア「教えてくれた場所はここであっているのか?」
ゼスト「ここがそうだ。さっきみんなに真実を伝えた。みんなも後でここを出るっていってた。行き先は決まっていないけど何とかなるだろう。」
その返事にガイアは慌ててしまう。
ガイア「早く戻れ! 杞憂で済めばいいが、もしかしたら最悪のことが起きるかもしれない。」
その言葉でようやくゼストが理解できた。自分たちを殺そうと計画し、何人も殺した憎い存在がすぐそばにいたらどうなるか、自身が身をもって知っていたはず。しかも、ここから逃げるように促していた。
早急に走り建物の扉、運命の扉ともいえるそれを開く。




