67話 凍りついた再会
あの作戦から一日が過ぎて、ゼストは自由の民のアジトにいた。唯一生きてここまで残ったことを認められて正式に自由の民の一員となった。トランから制服を渡されて認められた気になった。
トラン「これからも大変だろうが自由の民のために力を貸してほしい。」
ゼスト「はい。ありがとうございます。これから精一杯頑張ります。」
過去に目を背け、何でもいいからすがるものと目的が欲しかった。キル・コープス事件、貴族による虐殺、ジェノサイドスレイとの戦闘、あまりにも人の死を彼は見すぎてきたかもしれない。奴隷、貴族、ジェノサイドスレイに対する憎しみも募っていく。
そんな時、トランの元に別のアジトから緊急の通信が入る。他の自由の民からのSOSだった。
構成員『たすけて下さい! もう全滅寸……』
言葉は途中で終わり、氷が砕ける音が聴こえる。ただ事でない様子にトランは汗をかく。
トラン『どうした!? 何があった?』
返事はノイズの掛かった声で返ってきた。
『ここは全員始末した。次はお前たちの番だ。自由の民は俺が全員殺す。逃げ場などあると思うな。』
襲撃者と思われる者はそう告げると通信を切った。
トラン「急いで準備しろ。アジトに向かい、襲撃者を始末する。」
ゼストとサリア、数人の構成員が銃と装備を手に取る。敵の情報は何も掴めていないが、こちらからいけば奇襲できると踏んだ。
トラン「向こうにつき次第、襲撃者を襲え。相手のことなど気にするな。殺らなければこちらが危険になる。」
いくつかの中継点を挟み、瞬間移動で全員が連絡のあったアジトの前に着く。中がどうなっているか不明なため中に瞬間移動するのは避けることにした。
緊迫した空気と下がった気温がゼストに過度なストレスを与えていた。
トランを先頭にし合図とともにアジト内に突入する。中では物音一つ聞こえず、床が少しだけ水で濡れていた。あるはずであろう死体が全くない。不自然さに警戒心が高まっていく。
トラン「一体どういうことだ?」
その僅か数秒後に異常な殺気を感じてゼストとサリアを連れて少し後方に瞬間移動する。逃げ遅れた構成員は一瞬で凍りついた。全身が凍った後、砕けてバラバラになる。まともに死体すら残らなかった。
「逃がさない!」
天井に隠れていた襲撃者が降り立つ。その襲撃者がゼストたちの前に姿を現す。冷気が漂いながらその顔がはっきり見えたのは少し後だった。
トラン「お前が仲間をやったやつか!」
サリア「許さない!」
二人が怒りをぶつける中でゼストは異なる感想を抱くことになる。それは襲撃者も同じかもしれない。
ゼスト「嘘だろ……」
襲撃者の正体はガイア・キルーズ。ゼストがよく知っている人物がそこにいた。




