65話 無様な最期
サリアとゼストは多くの仲間を犠牲にして逃げ切った。ゼストは殺されていった者たちを思い出してしまう。罪悪感が心を締め付け壊していく。
サリア「あなただけでも無事で良かった。」
ゼスト「良いわけがないだろ。何人死んだ?」
サリア「失ったものを数えたところで何も変わらない。今の現実を受け止めて。」
そんな余裕なんて彼にあるわけがなかった。バラバラに砕けている心を無理やり繋ぎ合わせている、そんな精神状態だった。
そんな彼らの前に瞬間移動できたトランが現れる。サリアにとっては救いの手だった。
サリア「助けに来てくれたのですか? ありがとうございます。」
トラン「無事なのは二人だけか?」
サリア「ゴードン様が別のところにいます。」
トラン「そうか。先に君たちを俺たちのアジトに逃がそう。」
二人を瞬間移動でアジトに送り通信機でゴードンに連絡する。
トラン『無事か、ゴードン。』
ゴードン『ちょうど良かったです。今、近くに敵が!』
トラン『俺ははお前を助けるつもりはない。責任はお前が取れといったはずだ。失敗は自分でどうにかしろ。出来なければ死ね、役立たず。』
ゴードン「待ってください!」
慌てたところで通信は既に切られていた。通信機から音が出ないのに近くから音が聞こえてくる。誰かが近づく音だ。
ゴードン「嫌だ! 死にたくない。私が悪かった!」
後ろを振り向こうとすると手足を撃たれた。激痛と死の恐怖が襲ってくる。
ミーア「どうやら見捨てられたようね。」
ゴードン「助けてくれたらジェノサイドスレイに協力し」
無様な声を聞き終える前に撃ち殺した。能力を使って殺す価値もなかった。
ミーア「仇は……一応一人取った、リリア……さん。」
小さく一人で呟いた。後悔と哀しみが心に残り続ける。殺したところで大事な人は戻っては来ない。あそこに残っていれ先日の虐殺は止められたかもしれないと彼女は自分を攻め続ける。
ミーア「無実を証明できなくてごめんなさい。救ってあげられなくて、見捨ててしまって、自分だけ楽になろうとして。」
今はもういない人に懺悔していた。いくら泣いて叫んでも、何の返事すらない。
ミーアが選んだ道の結果がこれだと言うなら間違いだと彼女は思ってしまう。それでも逃げることは許されない。今まで奪ってきた者の命のためにも奪われてきた命のためにも。
ミーア「私は狂った間違った正義でも構わない。生きている限り行き続ける。それが生きている者の責任だと思うから。」
そう自分に言い聞かせることしかできなかった。




