61話 彼らの敵
ジェノサイドスレイからの連絡でようやく自由の民が動き出した。ジェノサイドスレイには入れ替わりで撤退を促した。
ゴードン「これからが本番だ! 全員、屋敷に突入せよ。」
彼の合図でジェノサイドスレイの後から入っていった。屋敷の中は既に戦闘後の血で汚れている。奴隷の手足がいくつか切断されていた。自由の民は誰一人としてそんなものは気にもしなかった。
捜索で奥に進むと鍵の掛かった部屋を見つける。まだジェノサイドスレイが発見していなかった部屋。鍵を破壊し用心して扉を開く。
中は薄暗く悪臭が漂う。
ゴードン「誰かいるのか?」
奴隷「助け……て」
小さな声で助けを求める奴隷たちがいた。服はボロボロで血がついていた。体は衰弱し今にも死にそうだった。彼らは失敗作。訓練についていけなくなったため、ここに幽閉されていた。
ゼスト(こんな酷いことを!?)
ゴードン「みんな構えろ。」
ゼスト以外の全員が銃を構えて、そして彼らに向けて撃った。すぐに彼らは死に絶えた。
ゼスト「何で殺した!?」
思わず彼はゴードンに掴み掛かった。しかし、ゴードンは一切動かず答える。
ゴードン「何かの罠かもしれない。それにこれ以外の選択肢があるのか? 奴隷はジェノサイドスレイにとって敵だ。手を組むというのはそういうことだ。」
ここにいるゼスト以外が人殺しの目をしていた。彼には何もかも納得ができなかった。
ゴードン「そして、貴族は我々の敵だ。これよりジェノサイドスレイも討つ。彼らの中には貴族も含まれている。相手は疲労しているとはいえ油断はするな!」
初めからジェノサイドスレイも討つつもりだった。そのための作戦でもある。
戦闘の隙に貴族の二人は屋敷の外に出ていた。時間稼ぎは終わり自分達の安全は保証されたと思い安堵する。
ローク「ここまで来れば大丈夫だ。」
ゲール「それに能力もある。余裕だろ。」
逃げる二匹の前に殺し屋が立っていた。正確にはもう殺し屋ではない。
ローク「お前も無事だったか。ここからの護衛もお願いしたい。追加の報酬もはずむ。」
謎の男「それはもういらない。」
男は麻酔銃でロークを眠らせ、鎖で縛り上げる。驚いたゲールは男に敵意を向ける。
ゲール「何のつもりだ!?」
謎の男「報酬を頂くまで。たかが貴族の財力では全く足りない。お前たちの人体を頂こう。」
ゲールは抵抗として洗脳の能力を使う。一日一人までだが強力な能力だ。しかし……
謎の男「脳に干渉する能力は俺には効かない。」
そんなバカな、という表情でゲールは見つめるしかなかった。黒いローブの下の顔が僅かに見えた。その顔はテレビなどで見かけたことのあった存在だけは認知している。
ゲール「まさか、マテリ……」
彼の名を告げる前に眠らされた。
謎の男「これで引き上げるとしよう。」
二人を黒い袋に詰める。袋の中は他に殺し屋の遺体、切り落とし止血処理をした手足がある。袋を台車に乗せ男はどこかに消えていった。




