60話 副業の殺し屋
ロークとゲールは奴隷たちの死亡を知り焦っていた。荷物を整え裏口から逃げる準備をしていた。
ローク「何で最高傑作どもがあっさり殺られているんだ!?」
ゲール「俺に聞かれても知るか! でもまだ雇った殺し屋がいるはずだ。全財産の半分も要求してきた奴だ。ただの殺し屋ではないはずだ。」
殺し屋の話題になった瞬間、黒いローブをかぶり顔の見えない男が現れる。その男は他の殺し屋や貴族とも違う雰囲気を出していた。
ローク「ああ、お前か。世界最高クラスの殺し屋。報酬は後で払うから奴らを殺してくれ。」
殺し屋「分かりました。報酬は必ず。」
殺し屋はそのまま二人から離れ敵勢力の討伐に向かう。
殺し屋(ジェノサイドスレイと自由の民か。いくらいても俺の敵ではないが、自由の民の一人には大きすぎる借りがある。……先日の件で遺体を数多く回収できた。この辺で研究材料の調達も終わりにするか。)
彼は副業としてやってきた殺し屋は潮時と考える。本業が疎かになっていては本末転倒。彼は金のために殺し屋をやっているわけではなかった。
殺し屋「どちらにしろ雇い主を死なせるわけにはいかない。」
本来とは全く異なる意味でその言葉を口にする。嘘はそこにはない。
場所を変え広い部屋に移動する。能力を使い、ジェノサイドスレイがここに来るのを待った。
殺し屋「来てくれたか。」
現れたジェノサイドスレイたちを彼は歓迎する。
殺し屋「殺すまでもない。」
全ての光が消失し暗闇に包まれる。視界は完全に塞がれる。シェリーは懐中電灯と弾丸を出そうとするが出した瞬間に全て破壊される。
シェリー(これが敵の能力なら私たちに勝ち目はない。)
シェリー『みんな逃げて!」
通信機を使ったつもりが通信機がまともに機能していない。攻撃も防御もどうすればできるか分からなくなってくる。
ミーアも混乱しつつ拳銃を前方に向け引き金を引く。それなのに発砲音もならない。使えなくなった銃をかなぐり捨て、さっきみた敵の位置を頼りに能力を使用する。能力で切り裂いた空間で闇が退き、一瞬だが光が戻った。
殺し屋(俺の能力とは相性の悪い奴が一人いたか。)
その光で殺し屋の現在地を特定する。その時には闇が再び覆う。
ミーア「そこか!」
殺し屋とその周辺全てを切りまくる。正確さなどいらない、能力がばれようともなりふり構ってはいられない。おそらく、この殺し屋にまともな物理攻撃は効かないと思考する。
殺し屋はワイヤーを使って部屋の隅に即座に逃げた。
殺し屋(雇い主の二人は今、逃げている。ここで奴らを生け捕りにして研究材料としたかったが仕方ない。あの女は危険過ぎる。ここは一度引くか。)
暗闇を維持したまま、殺し屋は雇い主を追跡した。
殺し屋が去った後は光が完全に戻った。ミーアが能力で付けた傷跡はあっても怪我人はいなかった。
シェリー「みんな無事でよかった。」
ミーア(あいつから殺意は感じられなかった。本気なら既に全滅させられている。絶望的なまでの能力差があった。)
幸運にも彼らは生き残ることはできた。




