59話 屋敷の奴隷
進んだ先には武装した奴隷と思われる者が数人いた。シェリーは仲間にいったん下がるように命じる。自らで彼らを殺すつもりだった。彼女にとっては目の前の奴隷はただの獲物でしかない。
シェリー「一応聞いておく。お前たちの主人はどこにいる? 答えてくれたら楽に終わらせてやる。」
彼らは何の反応も示さない。思っていた通りの反応だった。彼女はカバンからいくつもの銃弾を床にばらまく。奴隷たちは警戒しつつ目線を変えるが体は動いていない。
シェリー「なら死ね!」
落ちていたはずの銃弾が重力に抗い、宙に浮いた。そのまま奴隷たちのところに直進する。それは銃からそのまま発砲した速度と変わらない。
これがシェリーもう一つの能力、小型の金属等の銃弾を操るもの。
無数の銃弾は盾扱いされた一人の奴隷にのみ当たる。残りの奴隷は身代わりの後ろで生き延びていた。攻撃が止むのを確認した奴隷たちはかつての仲間の死体を捨て各個に散開する。彼らは拳銃による攻撃は通用しないと判断しナイフで同時攻撃を狙う。
シェリー「無駄なことを!」
残っている弾を四方から奴隷に向けて飛ばす。その光景は彼女の周りから弾が飛び散るように観える。
弾を飛ばした感覚はあったが手ごたえはなかった。
シェリー「まさか、防いだのか!?」
弾が飛ばされた瞬間に当たる位置を予測し、弾を防具とナイフで逸らした。彼女とて全く想像できなかったわけではない。さっきの攻撃を犠牲一人で済ました時点で只者ではないと分かっていた。
シェリー(さっきのしょぼい殺し屋はかませということね。こっちが本命のボディガード。それが分かっていたから自由の民も今まで手が出せなかったわけね。)
能力で操れる弾は一度触れたものしか不可能。一度掴まれたり、はじかれると制御下にはなくなる。彼女が追い詰められたと感じていた時、その場にいた全ての奴隷の首が切り落とされる。
ミーア「これで道は開けました。先に行きましょう。」
シェリー「一体どうやってここまで来た? かなり後ろだったから追いつけないはずでは?」
ミーア「サリオが透明になって状況を知らせてもらい、テリオのテレポートでここまで移動してきました。」
シェリー「それは分かったが今の攻撃は何だ? 何かの能力か?」
ミーア「申し訳ないですが秘密事項です。」
能力が知られてしまうと弱点などがばれてしまう。誰も信用していないミーアは能力を明かすつもりはない。しかし、発動した以上はそこから探られる可能性もあった。いざというときまでは能力は使用しないつもりだった。




