93話 共和国の闇に紛れて6
レイによってホームレスが中央に集められたため、異変を感じ警察の襲撃が一時停止することになった。ヴェルナーは予想とは違う彼らの動きに疑問を抱く。
ヴェルナー(あいつら何を企んでいる? 全滅はまだのはずだ。奪われた拳銃も発見されていない。逃げる隙などありはしないというのに。)
警察『ヴェルナーさん、再開しますか?』
警官からの通信が来てとりあえずヴェルナーは罠の可能性も想定した上で再開させる。
それから少したつとヴェルナーたちはレイたちがいた隠れ家付近まで到達する。ここまでくると彼らホームレスは袋のねずみ。
ヴェルナー「杞憂だったか。これで間もなく掃除が完了するはず。」
レイ『今だ!』
レイの叫びとともに警察たちの周囲が煙に包まれて視界を遮られる。これはレイたちの発煙弾によるものだった。
ヴェルナー「何だ、この煙は?」
この煙の正体が発煙弾ということすら彼らは知らない。これらは本来、共和国にそんなものはなく帝国からの輸入品。軍人でもなく戦闘経験が乏しい彼らに対応などできない。
ヴェルナー『火事かもしれない。一度下がれ!』
命令の直後にそれをかき消すかのように大きな声が聞こえてくる。
おじさん「動くな、警察ども! これが何か分かるか!?」
煙が消えるタイミングに合わせて武装したホームレスたちが姿を現した。その姿は逃げる気など一切見せない強気の姿勢だった。




