49話 処刑場の戦い4
シェリー(ハッタリか? それとも何か考えがあるというのか。)
警戒したまま、次の言葉に繋げる。
シェリー「ならその理由を教えろ。拒否権はない。」
スジュン『俺が偽物だと気付いたあんたならわかるはずだ。』
わざわざ直接音声レコーダーを持ってきて、中身は加工した声なら誰だって怪しむ。それを分かった上でやったとしたらここに引き付けるため。
しかし、それだけでは撃てない理由にはなり得ない。彼女は周りを見渡し、初めてカメラの異変に気付く。
シェリー「まさか、カメラを奪ったのか!?」
スジュン『その通りだ。遠くのカメラだけだがズーム機能を使えばここも見える。当然、今も撮影している。ここで撃てば、お前がジェノサイドスレイのメンバーを殺した映像が撮れる。そうなればお前の組織内の立場は終わる。』
焦りを隠せないまま反論する。
シェリー「カメラを押さえている奴隷どもを全員殺し動画を消せばいいだけ。私が動けずとも他のものをいくらでも動かせる。」
スジュン『それも出来ない。お前たちの通信機は既に封じた。』
慌てて通信機を確認したが、雑音しか流れていない。リザたちが奪った通信機に雑音だけを流し連絡を防いだからだ。こういうときの対処など考えていないため、シェリーたちは何も出来ない。
シェリー「これで勝ったつもりか!?」
スジュン『正確には違う。これで、じゃない。これからだ!』
通信機から流れていたスジュンの声が合図となる。
ギャラリーたちが騒ぎだす。キル・コープスと名乗ったスピーカー、出入口の封鎖、騒ぎだす口実は十分だった。
「ここから出せ!」
「キル・コープスに殺される!」
「俺たちを巻き添えにするつもりか!」
暴れる彼らを指揮を失ったジェノサイドスレイのメンバーでは押さえきれない。彼らはついに処刑台の近くまで押し寄せてくる。
メンバーの一人が銃を取り出そうとする。リザが隠れて狙い撃てる状態とはいえ、危険な状態だった。
スジュン『今すぐメンバーの全員に手出しをやめるように命令しろ。このままでは生中継で民間人を殺害することになる。そうなれば組織自体が崩壊するかもしれない。』
シェリー「分かった。言う通りにする。」
もはや手がない彼女は言いなりになるしかなかった。この時のみ通信機の雑音を解除した。命令によってメンバーの無力化にも成功する。




