46話 処刑場の戦い1
シェリーの考案した作戦が開始して一時間が経過していた。まだ処刑までの時間があったが動画はすでに配信を開始していた。ギャラリーたちも物珍しさなどから撮影を行っているものもいる。
シェリーは奴隷たちの十字架の近くに移動し周りに気を配る。
シェリー(救出が目的なら既に来ている可能性が高いはず。テリオたちの報告にあった者とは違う者なら見ていても分からない。動きがなければ服装ぐらいでしか奴隷だと判別できない。)
相手の正体が分からなければこちらからは仕掛けられない。
リザたちの作戦は計画通りに進んでいた。協力者も含めた一同も通信機を保持していた。
リザ(向こうはまだ攻撃をしてこない。これなら処刑も予定通りの時間に行うはず。)
リザは協力者に持ってきてもらったスピーカーを置くように指示する。それを見回りにていたミーアがいち早く気付いた。
ミーア『シェリー様、何名かスピーカーらしき物を置いていきました。マスクとサングラスを着用しています。奴隷かどうかは不明ですが、いかが致しますか?』
シェリー『奴隷どもの仕業かは分からない。他に何かの動きがあれば知らせろ。』
そう言って通信を切った瞬間、複数のスピーカーから同時に音声が流れ出した。それは加工された音声だったが内容が衝撃的だった。
『聞こえるか! この場にいる全ての者たちよ。俺の名はキル・コープス。捕らわれた奴隷を救いに俺はここにいる。ジェノサイドスレイよ、俺を見つけ殺しにくるがいい!』
その声は本人かは分からないし、本当かどうかは調べようがなかった。ジェノサイドスレイ側は予想外の手段に困惑する。その上、攻撃自体を受けていないから中継している以上、ギャラリーのは手出しができなかった。
この混乱をリザたちは狙っていた。キル・コープスの名を出せば必ず反応を示す。協力者には手出しできない状況とわかったうえで行った。
ジェノサイドスレイたちが用意したカメラがスピーカーの方に向きを変えた。そのカメラの位置を協力者がリザたちに報告する。
リザ『みんなカメラを押さえて!』
カメラにはカメラマンしかついていないため不意打ちなら簡単に奪うことができる。後方に待機中だった仲間が動き出す。
あっけなく、ほとんどのカメラを占拠しジェノサイドスレイの通信機を奪えた。
リザ『これで第一段階は完了。』




