42話 下水道の戦い4
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隠れている彼らはカウントする。僅かな可能性に全てを賭けた。
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奴隷「今!」
掛け声を拡張させ、その場の全員に伝えるようにする。ガレストは警戒して攻撃できない。
突然、水路から音が聞こえた。ガレストは音のする方向に頭を向ける。
彼の前に飛び出したリザの姿が目に写る。二人の距離はあまりない。
ガレスト「何!?」
いきなりのことで動揺したが、攻撃されたところで問題はない。そう思ったが……
彼の足が何かに掴まれている感覚があった。足の近くには倒れているだけのライトしかいない。足自体には何もないはず。
その上、体が非常に重く感じる。これらが何なのか彼には理解できない。
そんな思考の時間に彼は口を開けてしまう。その口にリザは隠し持っていた汚水の入ったペットボトルをねじ込む。
不意打ち、不可解な現象、口には吐き気のする汚水。これではまともに体を動かせない。窒息しないようにするのに精一杯だった。
ガレスト(苦しい、何でもこんなことに!?)
ライトの透明化した右手で足を掴まれ、バゲージの重力操作で体が重くなっていた。リザは飛ばされたふりをして水路に入り、能力で水中の呼吸時間を伸ばしてもらっていた。そして、ガレストの口を能力を使ってこじ開けた。
ガレスト自身が認識できない攻撃などは能力で跳ね返せない。その上、口の中まで能力は使えない。全て狙って仕掛けた。
リザはねじ込んだペットボトルをのけて、口内に銃口を押し込む。ここで命乞いをしようにもガレストにはできない。
リザ「これが裁きよ!」
ガレスト(やめろ! 死にたくない!)
その引き金は彼女にとってはとても重たかった。しかし、仲間の命と引き金を天秤にかけてたら、結果は明白だった。
頭を撃たれガレストは殺された。リザはその現実に恐怖し怯えた。
リザ「こうするしかなかった。仕方がなかった! 私は、私は!」
スジュン「お前がみんなを救ってくれた。ありがとう。」
その言葉に彼女は少し救われた気がした。
リザはその場で涙を流した。戦いは終わったことの安堵も含まれていた。この時の彼女はただの少女だった。
負傷した者を背負いながら、彼らは助け合い下水道から抜け出した。




