41話 下水道の戦い3
今までの二人で苦労したのにも関わらず、次は貴族の敵。平民と貴族には絶対に越えられない壁があるとされている。奴隷と貴族なら話にすらなるはずがない。
リザの頭に逃亡の文字が一瞬よぎる。目の前の敵がそれを許すわけはない。選択肢など考えるだけ無駄に過ぎない。
奴隷のライトが咄嗟に倒れた平民から銃を奪いガレストに突きつける。いくら貴族でも銃弾を避けることはできないと考えた。
ライト「動くな! いくら貴族でもこれが当たれば無事ではすまない。」
ガレスト「何のつもりだ? そんなもので俺が怯えるとでも思ったのか。なら試すがいい!」
一秒間戸惑い、それでも仲間を守るためにライトは引き金を引く。
銃声が響き、血が空を舞う。
それなのにガレストは無傷。対して撃ったはずのライトが銃を手放し左手から血を流していた。痛みに耐え兼ね意識が途絶える。
ガレスト「馬鹿だな、自滅しやがった。おもいしったか! これが俺の全ての攻撃を跳ね返す能力だ!」
奴隷たちは絶対に勝てない敵と思ってしまう。そう考えてしまったら何もかも終わる。絶望の現実が目の前にある。
スジュン「だけど……俺たちはお前たちには屈しない!」
倒れて動けないはずの彼が必死の抵抗を見せる。まだ生きているのだから戦えるはず、そう訴えかけているようにも見えた。
ガレスト「お前はまだ生きていたのか? ちょうどいい。お前は最後にしてやる。仲間が皆殺しにされるのをそこで見てろ!」
スジュンの足を彼はごみのように踏みつける。
リザ「足をどけて!」
今度はリザがガレストに銃口を向ける。無意味なのは分かっている。でも、すぐに殺されないなら時間は稼げる。
ガレスト「立場が逆だろ? それともすぐに殺されたいか?」
リザ「どちらでもないわ。あなたに私は殺せない。私たちはキル・コープスの居場所を知っている。」
無論、ハッタリだが食い付くと考えた。
ガレスト「だったら今すぐに教えろ。そうすればここにいる全員を助けてやる。」
リザ「正確な位置は分からない。キルは一人一人の仲間に違う場所を伝えた。どれかが嘘かは分からない。でも、必ず一つは本物よ。だから、仲間と話をさせて。」
ガレストは嘘だと見抜いていたが話を了承した。彼らがいくら足掻いても無理だと分かっていたから。
リザは仲間に作戦を伝えた。話が終わればもう時間はない。うまくいく可能性は低かった。
リザ「待たせたわね。」
ガレスト「一応聞こうか。キル・コープスはどこだ?」
質問には答えずリザは銃の引き金を引いた。跳ね返すことはさっき理解したため、撃った直後に右に体をそらす。
ガレスト「それぐらいで!」
反射した弾はリザの横を通り過ぎる。
彼女はそのままガレストに殴りかかる。跳ね返すものはおそらく飛び道具のみ、直接攻撃なら有効だと推測した。
ガレスト「たかがそんなもので!」
あっけなく見切られる。腕を掴まれ彼女は水路側に飛ばされる。彼女の体が汚水に呑まれていく。
ガレスト「あとは隠れている雑魚どもか。」
彼は前に進み銃を取り出した。




