39話 下水道の戦い1
リザはここにいる十人全員の能力を確認する。戦うと決めた以上、武器となるものが必要になる。今の彼らには力不足でも能力しか武器になりうるものがない。
彼らには、
針を作り出す能力
僅かだが重力を操る能力
一日五回一秒間だけ姿を消す能力
ゴミを作る能力
音を拡張する能力
任意の対象の水中での呼吸時間が増える能力
偽物の拳銃を作る能力
対象の口を五秒間開けさせられる能力
右手を透明にできる能力
ガムテープを作り出す能力
があった。
まだ敵が来るまで僅かだが猶予はある。それらを駆使して罠を仕掛ける。
能力で作ったゴミの段ボールや傘などで九人かは身を隠すことにした。明らかに不自然なためばれるが何もないよりはマシだった。
残った一人、リザは囮として隠れずにいた。他のものには反対されたが囮がいなければ真っ先に隠れているところを攻撃される。相手は殺しを楽しむタイプのため、堂々と出ていればすぐに殺される可能性は低い。
足音と思える音が聞こえてくる。彼女自身の心臓の鼓動も合わせて早くなっていく。
そして、仲間を何人も殺したであろう敵がすぐ近くにきた。今のところは敵は一人しか見当たらなかった。
テリオ「まさか、逃げずに待ってくれていたのか? 一人のようだな。早速だが殺されてくれ!」
リザ「あなたこそ一人みたいね。残念だけど」
リザが合図を出し先手を打つ。
リザ「私達は殺されるつもりはない!」
天井にガムテープでくっつけていた無数の針が敵のテリオの上から降り注いだ。針が落ちる音がかなり大きく聞こえる。
思わぬ反撃にテリオは動けない。
針はバゲージの重力操作で落ちただけで、あまり勢いはなく少ししか傷をつけられなかった。針が床に落ち終わるとテリオは銃を取り出す。
テリオ「下らん小細工は終わりか? なら死ね!」
リザ「私にもそれはある!」
偽りの拳銃で対抗する。
テリオ「それは偽物だな。本物なら俺が出てきた時点で撃っているはずだ。」
偽物であることを見抜かれたが、それは問題ではなかった。
リザ「今よ!」
その時になってテリオは初めて背後のスジュンの存在に気づく。
振り向いた瞬間に拳を食らい彼は気絶した。その後、手足は拘束し口をふさいだ。
スジュン「能力を連続で発動したとはいえうまくいったな。」
リザ「ありがとう、みんな。」
一人倒してリザはひとまず安心した。この調子で次もいけると他の者も思った。
突然の銃声とともにスジュンが倒れるこの時までは。




