表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力社会  作者: コイナス?
1章 憎しみの世界
14/874

14話 ゼストの始まり

今回からゼスト視点の話となります。前話とのつながりは薄いです。

 アース帝国が誕生し既に十年。かつての国は、名前は変わらずに領土として扱われていた。イギリスもその一つであった。イギリスには当然ながら多くの街があり、人々が生活を営んでいた。店や学校、住宅など様々な建物もある。働く者、学校に行く者、家事をする者いつもと変わらない日常の朝がそこにはあった。ゼスト・アライブ、彼もこの平和で穏やかな日常を過ごしている平民の少年の一人だった。彼はいつも通り学校に登校する。


ゼスト「母さん、姉さん、行ってきます。」


 ゼストは母親と姉に声を掛け自転車で学校に向かった。彼は自転車をこぎながら進路のことを考えていた。もうゼストは十八歳であり学校を卒業したら進学か就職をしなければならなかった。


ゼスト(進学か、就職か、どっちにしたらいいか今でも分からない。能力も大したものじゃないから今のままだと能力を生かした職には就けない。でも、在学中に覚醒なんて都合よく起きないし。せめて、誰かの役に立つ仕事ができるようになりたいな。そのためにはもっと知識と学歴が必要か?)


 そんな自問自答している間に校門についた。自転車を駐輪場に停めるとゼストの幼馴染が偶然そこにいた。ゼストは幼馴染の彼女とは昔から仲がよかった。彼女は貴族で身分は違っていたが二人とも気にせずに接していた・


リリア「おはよう、ゼスト。」

ゼスト「おはよう、リリア。珍しく今日は早いね。」

リリア「……早起きしたからね。」


 他愛もない会話をした後、二人で教室に向かった。それからいつも通りに変わりなく授業を受け下校の時間になった。


ゼスト「やっと今日の学校も終わりか。いつもながら面倒だったな。」

リリア「……ねえ、久しぶりに一緒に帰らない?」

ゼスト「ごめん、母さんにお使い頼まれているから、また今度。」

リリア「それじゃ、しょうがないね。悩みを聞いてあげようと思っていたんだけどな~。」


 まるで今朝考えていたことを読まれたと思ったゼストは驚いた。それが思わず顔にも出ていた。


リリア「まさか、図星だった?今度その悩み聞かせてよ。約束だよ。」

ゼスト「ああ頼む。じゃあ、また明日。」

リリア「うん、じゃあね。」


 二人は学校で分かれてゼストはスーパーマーケットに買い物しに向かった。メモを見ながらだったので少し時間が掛かった。買い物をすませ、購入した物を再確認してから店に出たときだった。店内に入ろうとした少女とぶつかる。その衝撃で買った物と少女の持っていた物が地面に散らばった。


ゼスト「すいません、怪我はないですか?」


 少女はゼストのことを無視して慌てて落とした物を探す。少女はゼストが落とした物をそのまま拾ってしまい来た方向とは逆方向に走っていった。


ゼスト「逃げなくても……。まあ拾うか。」


 ゼストは落とした物を拾っていると形が似ていたが買った物と微妙に違ったものがあることに気付く。それは少女が落とした物でゼストが買ったお菓子の箱に似せた箱。重さもあまりかわりなかったがデザインの細部が違っていた。


ゼスト「何これ?あの女の子のものか?あのお菓子のパクリ商品?」


 少女は既にいないためここに置いておくわけにもいかず仕方なく箱を持って帰ることにした。ゼストはまた別の日に少女にもう一度会って箱を返すつもりだった。


ゼスト「しかし、これは一体なんなんだ?なんか音が聞こえるような。」


 よく見ると一度開封された後があり、中が開けられるようになっていた。ゼストがおそるおそる開けると中には精密機械みたいなものが入っていた。ゼストにはこの箱が瞬時に異常だと認識した。


ゼスト(これは間違いなくヤバい代物だな。急いであの女の子に返さないと!)


 急いで少女のあとを追う。今ならそんなに遠くは行っていないと考えこの辺りを走りながら探した。するとスーパーマーケットの倉庫から関係者とは違うような者同士の会話が聞こえた。ゼストは物陰から様子をうかがっていると先ほどの少女がいることが分かった。一体何をしているのか疑問に思ったゼストはそのまま会話を聞くことにした。


少女 「約束通り、例の物を持ってきたわ。これで人質を解放してくれる?」

謎の男「それが約束だからな。お前が組織を裏切ったことはばれていないな?」

少女 「それは問題ない。彼らは私を信用しているから。」

謎の男「箱は本物だな?偽物ならお前も人質の命はない。」

少女 「……ええ、間違いなく本物よ。」


 箱はすり替わっているため中は全くの別物。その会話を聞いてゼストはこの箱が今必要だと思い、二人の間に入ろうとした。しかし、少女はゼストの存在に気付いてこちらにくるなと合図をしていた。


少女(何でさっきの少年がここにいる!?それを持って早く立ち去れ!)


 少女はそのまま男に箱を渡した。男は確認しそれが偽物だと一目で分かった。


謎の男「どういうつもりだ?死にたいのか!」

少女 「あなたにあれは渡さない!そういうことよ!組織のためにも、世界のためにも!」


 男は少女に銃を突きつけ、脅迫する。


謎の男「いいのか?人質も死ぬぞ?」

少女 「私たちはいつでも死ぬ覚悟なんてできている!こんな仕事をしていたらこうなることは初めから分かっていたわ。」


 ゼストにはよく分らなかったが、彼女の覚悟は伝わっていた。そして、彼女はゼストに聞こえるように叫んだ。


少女 「私たちは死んでもあれはある!あれの存在が私たちの全てよ!たとえ壊しても構わない!でも、もし神が許すならあれを世界に届けてほしい!あれはこの世界を変える!!後は神の望むままに。神よ、巻き込んで申し訳ない。」


 直接的な言葉は含んでいなかったが、この言葉はゼストに届いていた。すべては彼にゆだねられた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ