20話 交差する戦場6
ゼストの薬の効果は使用する度に効果時間が短くなる。その分、効果が高い薬を使用する必要がでてくる。それなのに肉体は副作用でボロボロになっていく。諸刃の剣が何度も通用するはずがなかった。
もう戦闘開始から三時間以上が経過している。強化の薬品が入った注射も何回も打った。しばらくはいくら打ってもこれ以上の効果は望めなくなる。限界が近づいてきているのをゼストは体でも理解し始めていた。頭痛が強くなり目眩も表れている。
ゼスト「まだ敵は来るはずだ……」
不調に耐えながらも前に進むことは止めなかった。
敵の隊長は負傷した奴隷兵の救助を他の部隊に頼んでいた。
隊長(やはり殺しまでしないようだな。見つからないため悪魔は廃墟のどこかに隠れていると見て間違いない。救助隊を襲わないあたり体力を温存している可能性がある。時間が鍵になるな。)
考え事をしていると別動隊から連絡が入ってくる。
『遠くに作戦とは別のジェノサイドスレイがいるようです。いかがなさいますか?』
隊長『所詮は雑魚だ。予備の奴隷兵を連れて殲滅しろ。時間など掛けないように。』
別のジェノサイドスレイとはシェリーたちのこと。どのみち彼ら軍にとっては邪魔以外何者でもない。
シェリーたちジェノサイドスレイも動き始めようとしていた。サリオの偵察とその時に設置したカメラで奴隷解放団と不殺の悪魔以外に別の組織がいることを確認する。ライリーのことは助ける予定ではなかったがジェノサイドスレイと敵対する者を始末するついでに助けることにした。
シェリー「今回は奴隷解放団と不殺の悪魔、それと謎の組織を叩く。時間と余裕があればライリーたちの救出を頼む。謎の組織はどうやら私たちの存在に気づいたようだ。不殺の悪魔とも奴らは交戦しているようだが、こちらとも戦うつもりだろう。できる限り漁夫の利を狙っていきたい。」
不殺の悪魔もそうだが謎の組織も彼らにとって初めて戦う敵。戦力は未知数だった。戦わず逃げる選択肢もあったが、このチャンスを生かせば敵対者を減らせる。逃走手段もいくつか用意しているためリスクは少なかった。
カメラの映像には僅かだがゼストの姿も写っていた。それを見てもミーアの表情は変えない。
ミーア(外道に堕ちたということ……。敵になるなら始末する。もう地獄はみたくないでしょう?)




