17話 交差する戦場4
負傷した彼ら奴隷兵たちは一度後ろに下がっていく。ゼストは何か仕掛けてくると考え警戒を強めていた。
奴隷兵『準備は整いました。』
奴隷兵の一人がゼストにばれないように通信機で連絡を取っていた。他の奴隷兵がそれを見られないように前に出て遮っていた。
ゼスト(一体何をしている? 今の内に攻撃をするか?)
悩んでいる間に彼の直感が危機を知らせる。
空から何の前触れもなく見えない何かが落ちてくる。危機を感じていたため咄嗟に体が後ろに下げることができた。
ゼスト(何かが来た? 何だ、あれは?)
その正体は以前ゼストが使用した催涙弾の類い。弾や臭い、色も認識されないように能力で特殊な細工をしたものだった。能力で遠隔操作されてゼストの元に投げられた。
ゼストは今回、直撃しなかったもののまだ攻撃が終わっていないことを確信する。
ゼスト(ヘリコプター、奴隷兵、見えない攻撃、何でもありだな。それに引き換えこちらには飛び道具がほとんどない。この様子だとまだ敵の手段は残っている。ここは相手をせずにジェノサイドスレイを先に狙うべきか……)
空を見渡しながら逃亡を図る。奴隷兵たちが追ってくるものの負傷したダメージでそこまでは早くない。廃墟の柱などに潜みつつ距離を離していく。
ゼスト(この戦いはおかしなところが多すぎる。何故、奴隷兵などが出てくる? ジェノサイドスレイにでも入ったのか、奴隷たちを奴隷狩りを守るためか。)
薬の副作用が表れ始めて、隠れて少し冷静に考え始める。今まで考えなかったわけではないが何か重要なことを見落としている気がしていた。
ゼスト(……ジェノサイドスレイは確かにいた。しかし、奴隷兵はいても奴隷はいたか? 俺が見ていないだけの可能性もある。もし、いなかったら奴隷狩りの情報は偽りのものとなる。本当の敵がジェノサイドスレイではなかったら……)
ジェノサイドスレイとの戦いを想定して人質と内通者を準備はしていた。それ以外だったら何の対策もない。ゼスト自身も所詮は薬と肉体改造で強化しただけで万能ではない。
この戦場の真の敵を倒さなければどうにもならない。
ゼスト(奴隷兵に指示を出している者を倒さなければジェノサイドスレイにたどり着けない!)




