10話 クーズを殺せ6
シェリー『ミーア、状況はどうなっている? 返事をしろ。……返事をして!』
もう作戦が終わったと思っていたのにミーアからの応答がなく何かあったと察した。返事がないのならまだ戦闘中か負けたことになる。しかし、シェリーにはそう簡単にあのミーアが負けるはずがないと思っている。クーズが能力を使えないなら既に決着は着いている。だとすればクーズはまだ能力を使える状態。
シェリー(ミーアが危ない!)
ミーアの安否を気遣いながら何度も通信を呼び掛ける。何回目かでようやく反応が返ってくる。
ミーア『シェリーさん、クーズは能力をまだ使えるみたいです。幸い能力無効化の能力でそれ以外は今は使用できないみたいです。おそらくですがこの近くにクーズによって捕まっている人がいるはずです。探して保護してもらえますか?』
彼女は隠れて小声で通信機を使っていた。逃げ回っているだけではどうにもできない。
シェリー『分かった。絶対見つける。それまで持ちこたえて。』
シェリーは全員の仲間に捜索を頼む。戦闘中のため民間人は退避しており近くにはいない。この近くにいる第三者がミーアの言っていた人物となる。シェリーは事前に頭に入れていた地形とカメラの配置場所から場所を絞り混む。候補は多かったが、彼らは一人ではない。
サリオ『民間人を保護しました。クーズはいないと伝えました。』
シェリー『ミーア! これでいけるはずだ!』
連絡を受けミーアは反撃に出る。一度、能力を使って確かめる。今度は不発はしなかった。
追ってきたクーズの前にミーアは姿を見せた。クーズにはもう今度こそ術がない。追ってきたのは終わらせるためだった。
クーズ「見つかってしまいましたか。私の完全敗北です。」
ミーア「何か言い残すことは?」
クーズ「……お見事です。」
そう言い残しクーズは首を切断された。彼は満足だったのだろうか。
元々の彼の能力は自身の想像を少しだけ現実に影響与えるものだった。それがいつからか敵意を持った相手の最悪の想像を現実にするものへと変容していった。
ミーアは彼の死体をそのままにして、傷だらけのままシェリーたちと合流しにいった。
しばらく時間が経った。キルは再びこの場所に戻ってきて死体から持ち物を奪っていた。あまり大したものはなかったがこれでしかキルには得られない。
キル「あの男は……」
見たことある人間がそこにはいた。その人はもう動かない。
キル「以前にも見たことあった。……死刑囚だったんだな。奴隷を守ろうとして貴族を殺害した……。」
少し前の彼がジェノサイドスレイにいたことはキルは知らない。ジェノサイドスレイを壊すために組織に入っていたことも、快楽殺人鬼を演じ続けていたことも誰も知らない。クーズ・デスネなんていうふざけた名前が偽名であることすら。
キルは死体の彼らを運びだし燃やして埋めることにした。数は十五人。燃やしている最中にキルが彼に話し掛ける。炎が生きているわけでもないのに。
キル「さっきは助かった……ありがとう。」




