101話 悪魔の戦場
エースグ「何者か知らないが撃ち殺」
言葉を言い終わる瞬間に彼の両腕が宙を舞った。彼がそれに気が付いたのは痛みより先に胴体から離れた自身の腕を見てからだった。
一瞬でゼストによって焼き切られたのだ。それはもう人間が真似できる速さですらない。
ゼストの炎の能力の火力や範囲、身体能力すらもありえないレベルに達していた。
エースグ「ああああ!!!!」
叫んでいる最中に彼の目玉を焼き、足と口を使えなくする。一秒すら掛かっていない。
メンバー「エースグ様を助」
ゼストは喋ったメンバーに狙いを定め、作業のように手を切り落とす。それを見て逃げようとする他のメンバーたち。
ゼスト「逃がすか!」
先程落とした手を逃亡するメンバーに投げつけ気絶させる。それを見ていた者は恐怖に支配されて動きを失う。一部の者は銃を構えるが、その先には彼ははいない。
ゼストはその間に光の如く速さでメンバーたちの手足を凪ぎ払い切断面を燃やしていく。反撃の隙もなければ、戦意すらも一方的にやられる彼らにはない。能力を使おうとも考えられなかった。
リザ「何なの……あれ……」
それをただ呆然と見ていたリザたちは自らの目を疑うしかなかった。以前会ったゼストとは全くの別人にしか見えなかった。
スジュン「早くここから逃げろ。」
撃たれたはずのスジュンが平然と立ち上がり、仕込んでいた鉄板と血糊を投げ捨てる。その場にいた誰もが驚いた。
リザ「生きていたの?」
スジュン「裏切ってすまない。あれは演技に過ぎない。俺はゼストに協力していた。結果的にジェノサイドスレイは目論み通り動いた。既に他のジェノサイドスレイも攻撃を仕掛けてくる。」
リザ「だったらなおさらゼストの加勢しないと。」
スジュン「ジェノサイドスレイにもゼストの協力者はいる。あれに手助けはいらない。」
そう言われると納得しかなかった。スジュンの教える退路に従いリザたちは撤退する。
リザ「助けてくれてありがとう、ゼスト。」
ゼスト(本当はただ利用しただけだ。……すまない。)




