生存条件
橘湊は自信満々に胸を張った。
「喜んで下さい。僕が死なずに済む方法があります!」
火ノ宮楓は興味なさそうに相槌を打つ。
「そうなんだ」
「もっと喜んで下さい!!」
「喜ぶ程仲良くない」
即答だった。
湊は気にした様子もなく頷く。
「ツンデレですね。説明します。史上最悪の武器を破壊すれば、僕を武器にする必要は無くなりますよね!」
楓は呆れたようにため息を吐いた。
「破壊出来ないからアンタを武器にしようって話になってるんだけど」
「完璧な作戦ですね」
「全然完璧じゃない」
楓は冷たく言い放つ。
「仮に破壊出来たとしても、アンタ自身が軍事利用される。穴だらけだよ」
それでも湊は満足そうに頷いた。
「完璧な作戦ですね」
「話聞いてた?」
楓は額を押さえる。
すると湊が人差し指を立てた。
「ですが、僕にも奥の手がありますし、破壊自体は可能です」
楓の眉が僅かに上がる。
「奥の手?」
「斬るという概念を植え付けて、何でも斬れます」
数秒の沈黙。
楓はあっさり頷いた。
「良いじゃん」
「でしょー」
湊は嬉しそうに胸を張る。
しかし次の瞬間。
「早速アンタを殺して武器にすれば破壊達成出来るじゃん」
笑顔が固まった。
「ですが!」
慌てて言葉を重ねる。
「発動条件があるんですよ! 対象の半径二十メートル以内に二分間居ないと駄目なんです!」
「問題無いね」
楓は即答した。
「武供は武器にすれば、元になった人間の力を飛躍的に引き出せる。発動条件くらい無視出来るでしょ」
湊はしばらく黙り込む。
やがて、絞り出すように言った。
「僕を殺さない方向で話を進めません?」




