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武器武器ギミック  作者: スペクトラム


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4/17

死合

「ふんふーん、ふん」

橘湊は鼻歌を歌いながら人気のない道を歩いていた。

次の瞬間。

上空から何かが凄まじい勢いで落下する。

轟音。

湊が立っていた場所を中心に地面が砕け、大きな亀裂が走った。

土煙の中から現れたのは相馬玲志だった。

「えー……今ので死なねぇのかよ」

心底嫌そうな顔で呟く。

対する湊は周囲を見回した。

「警察呼ばないと!」

そして少し考える。

「あれ。携帯持ってませんでした」

全く緊張感がない。

玲志はため息を吐いた。

「殺しに来るって分かってて散歩とは良い度胸だな」

「日課の散歩ですよ!」

湊は満面の笑みで答える。

玲志は従斧を軽く振った。

次の瞬間、その巨体が斧に引っ張られるように加速する。

一瞬で間合いを詰めると、そのまま湊へ斧を振り下ろした。

だが。

湊は片手を上げる。

何も持っていない。

それなのに。

甲高い金属音が響いた。

だが弾かれる。

「うわ」

湊は目を丸くした。

「あっれー!」

迎撃が間に合わないと判断したのか、そのまま後方へ飛び退く。

さらに空中で何かを掴むような仕草を見せる。

そのまま身体が持ち上がった。

まるで見えない槍でも電柱に突き刺したかのように。

湊は宙吊りのまま玲志を見下ろした。

「武供の最高傑作……か」

玲志は従斧を肩に担ぐ。

「なるほど。見えない武器を常に持ってるって解釈で良さそうだな」

「その斧……重すぎますね」

湊は興味深そうに従斧を眺める。

「インスティンクトで引き出された能力ですか?」

玲志は答えない。

代わりに眉をひそめた。

湊は人差し指を向ける。

「バン!」

玲志は即座に従斧を前へ出した。

だが何も起こらない。

沈黙。

玲志は顔をしかめた。

「ブラフかよ」

「逃げまーす!」

湊は踵を返した。

「させるかよ」

玲志は再び従斧を振り上げる。

その瞬間。

湊が振り返った。

「バン!」

乾いた声が響く。

玲志の身体が僅かに揺れた。

視線を落とす。

腹部に小さな穴が空いていた。

血が滲む。

「狸がよぉ」

玲志は顔をしかめる。

湊は楽しそうに手を振った。

「バイバイです!」

そしてそのまま路地の向こうへ消えていった。

静寂が戻る。

玲志はしばらく立ち尽くしたまま、自分の腹を見下ろす。

「うわぁ……」

他人事のように呟いた。

「体に穴空いてるよ」

しばらく考える。

そして携帯を取り出した。

「これ口実にして今日は休もうっと」

電話の相手が出る前から、もう帰る気だった。

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