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武器武器ギミック  作者: スペクトラム


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2/16

処遇

火ノ宮楓は緊張した面持ちで部屋へ入った。

「失礼します」

扉が閉まるより早く、明るい声が飛んでくる。

「どうだった!」

机から身を乗り出した雨宮紬が、期待に満ちた顔で楓を迎えた。

楓は一瞬だけ言葉を選ぶ。

家で匿っている、などと言えるはずもない。

「深手は負わせたのですが、逃げられました」

「そうなんだ」

紬は顎に指を当てる。

「強かったんだね。何の武器を使ってたの? 逃がしたってことは、名の知れた武器を持ってたのかな」

楓は本当のことを口にする。

嘘のような真実だった。

「何も使っていませんでした」

一瞬の沈黙。

「……へぇ」

紬は目を細めた。

「信じられないかもしれませんが」

「信じないに決まってんじゃーん!」

即答だった。

楓が思わず眉をひそめる。

「いや、ですが本当に武器は――」

「逃がしたって話を信じないって言ってるんだけど」

紬はにっこりと笑った。

楓は頭を抱えたくなる。

「強敵でしたから」

「その刀は飾り?」

紬の視線が楓の腰へ向く。

「力を引き出せば敵無しでしょ」

「…………」

楓は答えない。

答えたくない。

「で?」

紬は椅子の背もたれに身体を預けた。

「対象の戦闘スタイルは? その程度なら答えてもらうよ」

「素手であらゆる武器を使いこなします」

楓は言葉を探しながら続ける。

「……説明するのが難しいのですが」

紬の口元が楽しそうに歪む。

「いーねー!!」

机を叩く勢いで立ち上がった。

「そいつ、面白い奴だね!」

楓は嫌な予感しかしなかった。

「私の処遇は?」

「いやいや」

紬は手をひらひら振る。

「いきなり斬首とかしないからぁ」

「…………」

「怯えない怯えない」

「…………」

楓は無言のままポケットに手を入れる。

その仕草を見て、紬が吹き出した。

「てかさぁ」

「楓ちゃん、ポッケにある辞表、シュレッダーにかけといて」

楓の動きが止まる。

「…………」

「楓ちゃーん」

紬は楽しそうに笑う。

「逃がすわけ無いじゃーん」

その瞬間。

部屋の外から勢いよく声が飛んできた。

「二人共ね!!」

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