表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武器武器ギミック  作者: スペクトラム


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/19

生存者

「骸の王と対峙して生き残った者は二名」

雨宮紬は誰に聞かせるでもなく呟いた。

「一人は橘湊。自身を武器とし、インスティンクトで引き出す能力は概念そのもの」

「あらゆる概念を具現化する」

そこで言葉を切る。

「そしてもう一人は――」

――前の満月。

「やったぁ!!」

ユキは満面の笑みで飛び跳ねた。

「鏡あるかな」

近くの窓ガラスに映った自分の姿を確認する。

「え、髪が白くなってる」

驚いたように目を丸くしたが、すぐに笑顔になる。

「けど可愛いからオッケー!」

骸となった事実よりも、見た目の方が重要だった。

その存在は世界の理から外れた異物。

まるでそのバグを許さないと言わんばかりに、空から一本の刀が落下した。

轟音と共に地面へ突き刺さる。

月明かりの中、その傍らに最悪の刀。

骸の王。

ユキはそれを見る。

「あ、骸の王だ」

まるで近所の知り合いを見つけたような口調だった。

「満月だから居るよねー」

そして軽く手を振る。

「帰るからバイバイ」

骸の王は何も答えない。

次の瞬間。

刀が横薙ぎに振るわれた。

首を刎ねるための一撃。

しかし。

骸の王の身体が不自然に浮き上がる。

下から凄まじい衝撃。

ユキの蹴りだった。

地面のコンクリートが反動で大きく陥没する。

蹴り上げた本人はスカートを押さえながら呟いた。

「あ……スカートだから見えちゃうかも」

そして空中へ吹き飛んだ骸の王を見上げる。

「鉄くずって欲情するのかなぁ」

少し考えた後、真面目な顔で続けた。

「女の子に暴力は良くないって知ってた?」

骸の王は答えない。

「あ、女の子は許されるんだよ?」

ユキは当然のように言った。

「だって可愛いから!」

その瞬間。

月から無数の光が降り注ぐ。

光は四方へ広がり、結界を形成していく。

骸の王は本気だった。

だが。

結界が完成した時には、ユキの姿は既にそこになかった。

結界の外。

遠く離れた場所で、ユキは振り返る事もなく手を振っていた。

「バイバイ」

そして何事もなかったかのように家路へ着く。

骸の王だけが、その場に取り残されていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ