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国外追放されたマッドサイエンティスト、何を血迷ったか世直しを始めてしまう~狂科学者のオリジナル武器無双~  作者: 日和崎よしな
第3章 ウィルド王国と勇敢なる戦士たちの救世

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第148話 剣聖の本領(北軍・ホーリスSide)

「ヤーニン、ここからは1体ずつの撃破に切り替えよう」


「ホーリスさん、俺、5列目もいけます!」


「大丈夫なのか?」


「はい!」


 ほんの少しの休憩を挟み、ヤーニンは走りだした。


 ホーリスもそれを追う。


 1機撃破。2機、3機と順調に撃破していく。


 だが5列目の折り返しである6機目でそれは起こった。


「あっ……」


 ヤーニンがこけた。


 そこはまだ重機関銃の射程圏内である。その照準がヤーニンへと迫る。


「させるかあっ!」


 ホーリスが剣を投げた。


 青い光の線が回転しながら飛んでいき、白い装甲に突き刺さった。


 そこはロボットの背中。きっちりと急所を貫いていた。


 ロボットの両腕がダラリと垂れる。その勢いで白い巨体は仰向けに倒れた。


「大丈夫か!」


「あ、はい……」


 ヤーニンは立ち上がると、横たわるロボットに視線を向けた。


 ヤーニンに怪我がないことを確認すると、ホーリスも倒れたロボットに視線を向けた。


「こちらグイル。何があった?」


「剣を投げたらロボットが刺さった側に倒れて、剣が回収不能になりました。すみません。こちらはもう敵を弾切れにさせることしかできません」


「わかった。引き続き頼む」


 報告を終えたホーリスは駄目元でロボットを持ち上げようと試みたが、ロボットはビクともしなかった。


「すみません、俺のせいで……」


「いや……」


 ホーリスの目が、頭を下げるヤーニンの腰に留まった。


「その剣、ボクに使わせてくれないか?」


「え、あ、もちろんです!」


 ホーリスはヤーニンから剣を受け取り、(つか)の握り心地や剣身のサイズ、それから剣の重さや振ったときの感覚などを確かめた。


「こちらホーリス。剣を調達したので引き続き敵を撃破していきます」


「大丈夫なのか? レーザー・エンチャンターはもう使えないんだろう?」


「剣さえあれば問題ありません。マスターこそ大丈夫ですか? だいぶ息を切らしているようですが。戦士を引退した身なのだから、あまり無理はしないでください」


 ホーリスの言うとおり、グイルの息はかなりあがっていた。


 ひとりで1列目の5機を撃破したので無理もない。


 だが休む暇はない。彼にはまだ10機のロボットが控えている。


「そうはいかないな。家を踏み荒らされて抵抗しない者などいない。ここにいる以上、俺は事務員だったとしても戦う」


「わかりました。こちらの残り14機は必ず仕留めます」


 フォンから聞こえる重い銃撃音をBGMに、ホーリスは走った。


 1機ずつでは時間がかかりすぎるので、さっきまでと同様にふたりでロボットの列に沿って駆け抜ける。


 ヤーニンが引きつけ、ホーリスがロボットのふところにもぐる。


 ホーリスが狙うのは胸部ではなく四肢の付け根。

 流麗な剣さばきによって、あっという間に四肢が本体から切り離された。


 撃破スピードはさっきまでとほとんど変わらない。


 ホーリスの手数は4倍になったが、踊るように滑らかな動きで次々とロボットを行動不能にしていく。


 ロボットの胴体や両腕が落下するたびに激しい音が響く。


「くっ!」


 ホーリスが5列目最後の1機に初撃を加えたとき、刃が通らなかった。


 ロボットのターゲットがホーリスに切り替わるが、刃の位置を変えて斬りつけることですぐに左腕の切断に成功した。


 そのまま右腕と両脚も斬る。


「どうした?」


「剣が刃こぼれしただけです。ヤーニン、悪いけどこの剣は折れるまで使わせてもらうよ」


「はい!」


「ホーリス、あまり無理はするなよ」


 装甲がない部分とはいえ、ケーブルも金属でできている。

 そんな硬いものを斬っていては、剣もどんどん刃こぼれしていく。


 前衛は残り10機。

 ヤーニンの剣で撃破した数は4。


 残り10を剣が耐えられる可能性は低い。

 しかも、3人の息はかなり荒くなっている。


 フォンはそんな3人の息遣いだけを勇士たちに伝えていた。


「あ、あの! 俺も戦います!」


 誰かが言った。ヤーニンの声ではない。


 もちろん、グイルでもホーリスでもない。


 サーフェの勇士の誰かが言ったのだ。


「俺も!」


「僕もやります!」


「よし、半分は前衛に戻れ! 半分は後衛で俺とともに戦え!」


 グイルの号令に気合の大合唱が応えた。

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