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アルガナイ…力を失ったルシファー 学園生活を謳歌する?  作者: T.T
本性を暴くための策

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外伝 千明 11 裏庭………

 『ついにこの時が来た』


 私は合宿のイベントの何よりも、この裏庭に来ることを楽しみにしていた。


『駿斗を問いただすこの機会が!やっと、やっと、やっとやっとやっとやっとやっとやっとやーーーーと!今度こそ誤魔化すようなら、何をしてでも聞き出す。

背中に傷がついている奴を、Rの関係者を、そして、おばあちゃんの仇を!!!』


 私は気づけば速足で向かっており、そして予定よりも早く裏庭に着いてしまった。


『ここなら、誰にも邪魔をされない。偶然に他の人が会うような場所じゃない。

この時間、裏庭に来るのは……私と駿斗だ……け』


 私は人影を見た瞬間、木の後ろに隠れた。


『何でいるの!あいつは誰?確か、柔道部の……颯太だっけ?えっ?本当に、何でここにいるの?』


 見渡すと、颯太一人だけだった。


『今なら気絶させて、茂みに隠せば何とか間に合うかも……早めに行動しないと』


 そう考え、颯太に襲い掛かろうとしたその時、もう一人が颯太に近づいていった。


『今度は誰って……? 紫苑?』


 二人がここに来た目的は、会話ですぐに分かった。颯太が紫苑に告白するために呼んだのだと。


『まだ、はやとが来ていない。まだ会話の流れで二人を排除できる。それに、紫苑でよかった』


「紫苑?」


「千明……何で?」


 よし、私に気づいたのなら、そのまま邪魔な奴を……。


 その瞬間、はやとが姿を現した。


『何で今来るのよ!もう少し遅く来なさいよ!クソッ!紫苑がいるのはむしろ

好都合。でも、問題はこの颯太ってやつ!こいつは1組で人気者だったはず。駿斗だけでなく、こいつまで寮内にいなかったらさすがに周囲が探し出す可能性がある。そうなると、ここまで人が押し寄せてくるかも……』


 沈黙の間、私の脳はこの場をどう切り抜けるか考えていた。


 すると、はやとが口を開いた。


「まぁ、いい。それより千明、話って何だ?」


「えっ?」


『言えるわけないでしょ!?あぁーーー!!!イライラする!頭が破裂しそう!今すぐに聞き出したろか!?あっ!!!???懐に入って、首根っこ捕まえて、吐かせることくらい簡単だから!お前なんて……』


「あーえーっと……」 


『落ち着きなさい!私!!!颯太を気絶させて、駿斗を問い詰めることはできる。でも、人気者二人がいなくなったら面倒くさいことになるのは間違いない。それに遠くからだけど、視線を感じる。誰よっ、もうめんどくさいなぁーーーーーー!!!落ち着け、落ち着け、落ち着け……殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す』


 私は全身に力を入れて、この止まらない気持ちを下唇を噛んで何とか抑えた。


「そう!」


『とりあえず、もう一度二人で会う機会を作る。まだ、チャンスはある!そう信じろ、私』


「夏休み、プール行かない?」


 返信を返さず、電話にも応答せず、ここまで来させといてこの発言はさすがに変だけど、咄嗟に思いついたのがこれしかない。


 今、頭の中は復習のことでいっぱいすぎる。


「あー、いいぞ」


 何とか承諾をもらうことができ、私はすぐにその場を去った。怒りでどうにかなりそうだったからだ。


『あぁーどうしよう。いっそのこと全員を殺せばスッキリするかな?いや、それこそ本末転倒…………クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソ!!!』


 私は悔しがりながら寮へと足を運ぶ。


『颯太が紫苑をここまで呼んだの?アホなの?夜遅くに、こんな短い自由時間に、こんな遠くに普通、お風呂上がりの女子を呼びますか?湯冷めさせたいんですか?馬鹿なんですか?』


 そう考えていた瞬間、冷たい夜風が私の頭を冷やし、急に冷静になれた。


『待って、紫苑は男嫌い。紫苑が颯太ここに呼ぶことはありえない。そして、あの颯太がここに呼ぶのも考えずらい。誰かが、ここに呼ぶように協力し…………………』


  『金星しかいない』


『もしかして、遠くから見ていたのも金星?だとしたら………辻褄が合う』


 私は寮の方へと全速力で走った。


『あいつ、私の告白(嘘)を見抜いていたの?いや、私の演技は完璧だった。それは考えにくい。なら、最初から協力する気がなかったということ?なんで?分かんない。でも………』


 私は速度をさらに上げた。


『今ならまだ、間に合う!さっき見張っていたのが金星なら、この速さで行けば、先に寮に着くのは私!もし、私よりも早く着いたらそれは、何らかの組織に関与しているという裏付けになる』


 私は寮に付き、部屋中を探索しようと廊下を走ったその時


「こらっ!合宿だからといって、廊下で走っていい理由にはならん」


 私は急ブレーキをかけて先生の方へと振り向く。


「すみません!星崎先生!金星君を見ませんでしたか?」


『こんなところで足止めを食らっている場合じゃ……』


「ん?金星?あいつなら、ここで寝ているぞ」


「えっ?」


 多くの疑問を抱いたまま保健室に入ると、確かに金星がベッドの上で寝そべっていた。


「いつからですか?」


「数分前だ。彼は体中に怪我をしていてな。本人曰く、合宿最後だからと外を歩いていたら坂に落ちて、怪我をしたそうだ」


『嘘…………』


「もう治療は済んだが、なかなかに酷い怪我だったな」


「そうですか…………」


『えっじゃあ、あれは誰?金星はただ、私のことを応援してくれていただけってこと?颯太が本当にたまたま紫苑を裏庭に呼んだだけ…………ってことになるのかな』


 私は疑問を解消できずに、その日を終えた。

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