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アルガナイ…力を失ったルシファー 学園生活を謳歌する?  作者: T.T
世界の一端

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第30話 林間合宿(裏)  探索

 朝早くから俺は父と連絡を取っていた。


「お前が行く合宿先にはターゲットが二人いる。今回の任務はそいつらの処分だ。後で詳細は送る」


「了解」


「それと、黄泉兄弟の件、ご苦労だった。真希にはこう伝えておけ。『私が戻り次第、より厳しい鍛錬を強いる』と」


「分かりました」

 

 通信はすぐに途絶え、ターゲットに関する詳細が送られてきた。

 2人か。資料を見る限り、普段なら間違いなく達成できるが、今回は合宿のイベントが詰まっているため少々厄介だな。

 頭の中を整理しているときに真希が2階から降りてきた。


「おはよう。兄さん」

 

 目をこすりながら、あくびをしている。眠そうだな。


「おはよう。朝起きてすぐに悪いが今回も任務だ」


「ええ?合宿があるのに?」


「そうだ。今回は二人。一方をお前に任せたいと思う。頼めるか?」


「それはいいけど。はぁ〜、せっかく楽しみだったのに。まぁいいや、ストレス発散にはもってこいかな」


「それと父さんからお前に伝言だ。(私が戻り次第、より厳しい鍛錬を強いる)だそうだ」


「はぁ~ですよねぇ~。分かりました」


「任せた」


 こうして、俺の林間合宿は幕を開けた。




合宿1日目


 俺は男子トイレの個室にいた。

 力が抜け、床を向いた瞬間、前にある個室との下隙間からある紙が『スッ』と入ってきた。

 紙には請求書と書いてあり、見覚えのある内容だったため、声をかけた。


「良太か?」


「そうだとも『我右腕よ』さっさと金を渡せ」

 

 俺が刀を依頼した人物、それが良太だ。


 良太は大阪出身。

 小学三年生の時、駿斗と共に俺が通っていた学校に転入してきた。

 駿斗は家の事情らしいが、良太は父と共にRに技術者としての腕を買われたことがきっかけだ。

 幼いながらも父の技術を奪い、様々なものを生み出し、それがRの幹部らの目に留まった。

 今では『脳』(技術者や参謀)の役割を与えられている。だが、水泳は続けているらしく、部活も水泳部に所属している。最近は俺との依頼もあってか忙しいと言っていた。

 

  俺はRの目の届かない学校で関わりを持ち、メールで刀を作ってほしいと依頼をした。

 Rには内密にしたいと伝え、最小限の連絡で済ませた結果、なんとかタイミングよく届いたという流れだ。

 しかし、俺はまだ依頼料を払っていない。

 催促は期間を開けて何度も送られてきたはいるのだが、次の給料日まで金欠な俺は払えずにいた。


「何度も言っているだろう。まだ、お小遣い(依頼料)が足りていないんだ」


 俺たちはトイレにいるが誰がいつ聞いているかわからないため、会話の本文をうまく隠しながら話している。


「賭け(依頼)をしてきたのはお主だろう。さっさと払うのだな」


 俺は埒が明かないと思い、請求書を粉々に破き、トイレに流した。

 俺が個室のドアを開けると、『ドン』と勢いよく良太も個室から出てきた。


「何をする!払わんつもりか!」


「また今度(次の給料日)に払う。それにここで渡すものじゃないしな」


「それはそうだが、きっちり払えよ!言質は取ったからの!」


「分かった」


「それと、お主も知っている(連絡が来ている)と思うがいるのか、ここにもターゲットがいるらしい」


「あぁ、それにたぬき(大阪の連中)もいるみたいだぞ」


「まじでか!」

 

 良太は大阪で暴れている連中がここにもいるという情報を知らなかったようだ。驚いた表情をしている。


「これから探すつもりだ。もし、出会ったらすぐに逃げたほうがいいぞ。毒(新しい武器)を持っている可能性が高い」


「毒か。それは興味深いが、僕は他のこと(任務)をやらないといけないから、そっちは任せるかのぅ」


「了解だ」


 こうして、良太との会話は終わった。



 自由時間

 

 俺は周囲を探索した。

 今回の任務は山の奥に住んでいる男を処分することだ。

 その男はRの『命』の役割を与えられた者だったが、3日前に突然、姿を消したそうだ。Rの幹部たちはこれを規律違反だと判断し、『目』に探させた結果、俺が今いるここだと分かったそうだ。

 丁度そこに林間合宿で行く予定の俺に、こうして任務が届いた。

 

 それに加え、大阪で暴動を起こした奴が一人、ここに潜伏していうるという情報まで上がってきた。

 まだ、大阪で起こった暴動を完全に鎮圧化できていないRは、さらに大阪に向けて増員しているため、人手が足りないらしい。

 そういう理由もあってか、この二人を処分するのが今回の任務となった。

 林間合宿中は、かなり時間が限られているため、この自由時間を有効に使わなければならなかった。

 真希には、俺とは反対方向を探索してもらっている。

 大阪の奴は俺が相手をし、真希には裏切り者を処分してもらう予定だ。


 常に周囲に人がいないかを確認しつつ、草木を退かし、地形を把握する。

 山の中は自然が生い茂っているため、視覚が多い。そのため、いつ奇襲されてもおかしくない。

 そう思いながら森の中を進むが、結局、ターゲットとの接触はなく。地形を把握するだけになってしまった。

 真希の方も特に成果はないようだ。


 俺は集合場所へと急いだ。

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