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アルガナイ…力を失ったルシファー 学園生活を謳歌する?  作者: T.T
世界の一端

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第29話 林間合宿(表) トイレに行きたい

 林間合宿一日目


 俺は朝四時に起き、少しだけ朝ごはんを食べ、歯磨きやトイレなどを済ませた。

 家にはいない父とメールでやり取りをしてから、リュックを背負い、手には着替えなどが入っている大きなバックを持ち、真希と共に学校の第二グラウンドへ向かった。

 この学校には第一と第二の二つのグラウンドがあるが、第二はとにかく広い。今回の集合場所も、広さを理由に第二グラウンドが選ばれていた。

 到着すると、バスが七台、整然と並んでいた。

 それぞれの窓には『①』から『⑦』までの番号が紙に書かれて貼られている。

 バスの隣では、生徒たちが荷物を積み込んだり、クラスごとに集まったりしている。まだ朝が早いせいか、どの顔も眠そうだ。


 校長先生の挨拶が短い拍手の中で終わると、各クラスごとに担当の先生の指示でバスに乗り込むことになった。

 俺のクラスは『⑤』のバスだ。

 俺は後ろから三番目の窓際の席に向かった。

 隣には紫苑がすでに座っており、少し眠そうにしていたが、どこか楽しそうな雰囲気を漂わせていた。しかし、俺が隣に座ると不機嫌になった。


 バスは予定通り七時に出発した。

 車内にはカラオケ設備が整っていった。

 バスガイドさんの話が終わると、右側の列の前から順番に歌い始めた。 

 意外なことに、みんな結構上手い。それに加え、友達同士で得点を競い始める人たちもいて、車内はすっかりカラオケ大会のような盛り上がりを見せていた。


 やがて、俺の番が回ってきた。どうすればこの空気を壊さずに乗り切れるかを考える。


 高得点を狙えば一気に注目を集めるだろう。だが、それが裏目に出たら面倒だ。調子に乗ってると思われてしまう。これから歌う人たちのハードルも上げることになるな。

 かといって、わざと低い点数を取れば、空気が読めない奴だと思われかねない。


 少し考えた結果、俺は平均より少し低い点数を取ることに決めた。

 これなら、場の雰囲気をほんの少し落ち着かせつつ、後の人たちが歌いやすくなるだろう。そう思って選んだ曲を歌い、結果は85点。平均より少し低めの点数だ。

 しかし、俺の歌を聞いていたみんなの反応は予想外だった。


『金星、めっちゃ歌うまいじゃん!』『すげー』『なんでこの点数なの?もっと高いでしょ!』などと、なぜか褒められた。


「金星って歌うまいんだ、以外」


 先ほどまで不機嫌そうな顔をしていた紫苑も、驚いた表情に変わり俺を褒める。

 どうやらカラオケは、点数だけではないらしいと俺は学んだ。

 俺が心配していたが嘘のように外れ、その後のクラスメイトも全員歌うのがうまく、カラオケの盛り上がった雰囲気は上がり続け、気づけばパーキングエリアに着いていた。

 ここから先は、トイレに立ち寄れる場所がないため、俺は急いで食事を済ませてトイレに駆け込もうとした。だが、着いた頃にはすでに長蛇の列ができていた。

 結局、用を足すことができないまま、バスに乗る時間になってしまった。仕方なく我慢してバスに乗り込み、隣に座った紫苑に気づかれないよう、できるだけ自然に振る舞った。


 予定通り、九時三十分に現地に到着した。場所は新潟県だ。

 バスから降りると、夏とは思えない冷たい空気が頬を撫で、緑豊かな山々が俺たちを囲む。大自然の中に広がる景色はどこか非日常的で、俺は少し心が落ち着くかと思いきや、トイレに行きたくて気が気ではなく、それを感じる余裕もなかった。かといって、抜け出せる雰囲気ではなかったし、それにトイレの場所が分からない。仕方なく、俺は体の下の方に全ての力を注ぎ、なんとか抑えていた。


 全員でバスから荷物を降ろし、指定された広場に集合すると、現地スタッフから資料が配られ、オリエンテーションが始まった。

 宿泊施設や食事をとる場所の案内に加え、俺が一番気になっているトイレの場所や、緊急時の避難経路などが丁寧に説明された。


 オリエンテーションが終わると自由時間だが、その前にクラスごとに班に分かれ、それぞれが泊まる部屋に荷物を置きに行くことになった。。


 荷物の整理が終わり、自由時間となった。

 俺以外の四人は部屋に残ったが、俺は真っ先にトイレに向かい、長いトイレを済ませた。


 その後、スッキリした俺は部屋に戻り、飲み物とスマホを持ち周囲を探検した。


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