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アルガナイ…力を失ったルシファー 学園生活を謳歌する?  作者: T.T
憎悪

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外伝 千明 8 おいていかないで………

 翌日、組織は私の両親の情報を全て上書きし、新しい両親を送ってきた。


 『父はアメリカでの事業に成功し、有り余ったお金で顔を整形した。

 仕事先で出会った女性がたまたま同じ境遇で、夫を亡くしていることを知り

生き度統合。数か月の付き合いだが、再婚をした。

 父は今まで通り会社を経営し、母も父の会社で働くことになった』


 という設定が組織から用意された。


 素性を全てすり替えたため、社員さんたちは父(社長)が変わったことも知らずに働いているらしい。

 前の父の祖父祖母と、前の母の祖父は元々私が生まれる前に亡くなっているが、祖母は生きている。


 つまり、おばあちゃんだけが、私の唯一血のつながった本当の家族ということだ。


 私はおばあちゃんに小さいころから、よくしてもらっていたため、いつかこの恩を返そうと思っていた。

 母が亡くなった時、私はおばあちゃんの家に行こうとも考えたが、この時はまだ父とやっていけると思っていたため、行かないという選択をしたが、私は間違ってしまった。


……この時に私がおばあちゃんの誘いに乗れば未来は変わっていたかもしない………


     けど、もう遅い。


 学校に久しぶり登校し、友達に事情を説明しながら、偽りの自分を演じ続け生活した。

 誰一人として私が、小学生が習うことのない訓練をしてきたなど考える人はいないだろう。私の演技は完璧だ。


 昔の自分を思い出しながら、以前の友達と接した。偽りの海外での出来事をべらべらと話しながら、父が再婚し新しい家族で楽しく過ごしていたんだと笑顔でごまかした。

 『 I 』の兵器となってからは、世界が、がらりと変わってしまったかのように見える。


 私も同じ小学生だが、周りが幼い子供にしか見えない。本当に友達との会話に合わせるのが大変だ。

 自分が一気に大人になったかのような、年老いたような、自分だけが未来に行ってしまったような感覚。


『不思議だ』


 今の私なら、一人でこの学校全員の命を取れる自信が不思議と湧いてくる。

 あまりにも空きだらけだ。いやいや、こんなことは考えてはいけない。

 油断しすぎだ。

 私のように訓練されたRの組織の子供がどこかにいるかもしれない。

 それを探すのが今の任務だ。


 訓練の内容の中には様々な英才教育を叩き込むカリキュラムもあったため、勉強は中学3年までの学習をすでにこなしている。

 そのため、学校の授業が簡単すぎてこちらも合わせるのが大変だった。


 あっという間に一か月が経ち、学校での小学二年生の頃の思い出が、ほとんどないまま三年生になった。


 今の両親がおばあちゃんに挨拶をしたいのというので、私もそれに同意した。

 久しぶりおばあちゃんに会いたいとも思っていたので、楽しみだった。


………


 しかし、運命というのは残酷だ。


………


 ある日、私は任務に出掛けていた頃、『おばあちゃんが何者かに殺された』と連絡があった。

 すぐ任務を終わらせ、おばあちゃんの家に行くと、家は警察に囲まれていた。

 人の気配がない場所に移動し、私は組織に連絡した。


「どういうこと!?どうしておばあちゃんが!!!」


 私の頭の中は怒りと悲しみの二つの感情以外働いていなかった。咄嗟に山本に電話して状況を聞かなければ気が済まなかった。


「少し声を下げてくんねぇか?お前の声以外と大きいんだよ。そして、電話してくれてなんだが、俺は何も知らない。連絡があった通り、今回は何もしないというのが上の命令だ」


 嘘をつかれていると思い、どうしようもない怒りをぶつけた。


「そんなわけないでしょ!!!おばあちゃんが家を売らないから、Rの連中が動いたに決まってるじゃん?!!!」 


「間違いなくそうだろうな」


「だったら、今すぐに行動して何かしらの情報を掴むことができるかもしれないじゃん!まだ近くにおばあちゃんを殺した奴がいるかもしれない!何もしないってどういうこと?!」


「知っての通り、あそこはもうRの目が隅から隅まで届いてる場所なんだ。俺らが何か行動したらすぐに怪しまれる。確かに殺した奴を捉えれば何か情報を得られるかもしれないがリスクとリータンがあってねぇ。俺がいくら上に交渉したところで結果は変わらない。今回は何もしない」


「なんで………どうして」


「気持ちは分からんでもないが、お前はもうIの兵器だ。俺たちの言うことには従ってもらうぞ」


「………了………解」


 おばあちゃんを殺した相手が近くにいるはずなのに、そいつを探すこともできず、ただ、悲しみに暮れるしかなかった。



『なんで………おばあ………ちゃん………行かないで………』


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