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アルガナイ…力を失ったルシファー 学園生活を謳歌する?  作者: T.T
この世界の裏側

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第13話 心の世界(裏) R

 数年前、日本は急速な発展を遂げ、世界に名だたる経済大国へと成長していた。

 高層ビルが立ち並び、最新技術を駆使したインフラが整備され、人々の生活は驚くほど快適で豊かなものになっていった。こうした環境の中、人類は人口を増やし続け、現在、10億人を超えるに至っている。


 その目覚ましい発展は瞬く間に世界中から注目を集め、日本は国際社会にとって欠かせない存在となった。

 一見、平和そのものに見えるこの国だが、その裏側には巨大な組織『R』が存在していた。

 日本の急激な発展のほとんどは『R』によるものであり、彼らは国を裏から巧みに操っていた。


 しかし、その急成長には大きな代償があった。

 国が必要とする資源は次第に枯渇し始め、豊かさと繁栄を追い求めた結果、国家が支えられる人口は限界に達しつつあった。


 この状況を変えるべく、Rは決断を下した。

 それは、社会に何らかの悪影響を与えた人物を選び出し、抹殺するという非情な措置だった。

 Rは設立当初から、世界各地から優秀な人材を集めていた。

 そして、彼らを従属させてそれぞれに役割を与えていた。


 その中で異質な役割が『矛』である。


 矛の役割はただ一つ。国逆らう者、あるいは国家にとって脅威とみなされる者を抹殺すること。実質的に、国家公認の殺し屋として存在していた。


 しかし皮肉なことに、これまで矛にその仕事が与えられたことは一度もなかった。

 矛たちは、自らの肉体と精神を鍛え上げるために日々過酷な訓練を受けながら、表向きはごく普通の社会人として生きることを義務付けられていた。

 社会では教師や会社員、医師などの職業に就き、外から見れば一般市民と何ら変わらない生活を送っていたのである。


 だが、彼らが普通ではない証が一つだけあった。

 矛の体内には、精巧に設計された爆弾が埋め込まれていたのだ。

 この爆弾によって、彼らはRに従わざるを得なかった。

 矛として生活する限り、経済的な不自由はなかったが、同時に『自由』という概念そのものが存在しなかった。


 矛たちは生きるために服従するしかなく、ただ生き延びるためだけにその身をRに捧げていたのである。

 そして、ある日。すべての矛が召集され、次のような命令が下された。


「国の矛である君たちに任務を与える。我々は現在、人類の選別を行っている。

その一環として、君たちに害ある者の始末を命じる。内容は単純だ。指定された標的を排除する。ただそれだけでいい。報酬はその都度支払う。そして、全ての任務が完了した暁には、君たちの体内にある爆弾を解除する用意がある。信じるも信じないも自由だが、逆らえば即座に処分の対象となることを肝に銘じておくように。つまり、最初から選択肢がないわけだが、ようやく本職に戻れるということだ。中には、ずっと殺しの機会を待っていた者もいるのではないか?いや、きっと君たちの多くがそうだろう。うんうん。そんな君たちの欲はようやく解放される。我々が選んだ標的には、遠慮なく殺してくれて構わない。これからは配布するこのスマホで連絡を行う。報告は以上。存分に、働いてくれたまえ」


 その命令に、矛は誰一人として逆らうことはできなかった。

 こうして、矛は本来の役割に戻り、Rによって選ばれた者たちを月々に始末していった。


 ここまでが、父から聞かされたこの世界の裏の姿である。


 ………そう、俺の父、天野忠勝はRの矛だった………


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