表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大好きな幼馴染との関係は不倫以上  作者: hitorigasuki
どうか、どうか

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/48

第9話 揺れる

 夜中をふたりで歩く。点滅する信号。左右から車がこないのを確認してから渡る。はたから見たらわたしたちはどう写るのだろうか。


 中学の横を通る。


 あの頃、告白して成功していたら、わたしたちは今も一緒にいたのだろうか。どんな関係になっていたのだろうか。答えなんて出ないのに。そんなことを思ってばかりいる。埋まらない空白を埋めることばかりで頭いっぱいで。今をもっと楽しまないといけないのに、蒼くんや颯太、それに類斗の家族のことがどうしても頭をよぎる。


 ただ、逆に蒼くんたちといても類斗が頭を占領してくる。もうどうしたらいいかわからない。


「類斗」

「ん?」


 呼びかけると、優しい目で変わらずわたしを見てくれる。それだけのことが嬉しくて仕方ない。


「ゆり」

「なに?」


 互いに呼び合って笑う。


 高校生の頃に戻ったら、わたしは蒼くんに恋をしないで、類斗だけに真っ直ぐ生きることができるのだろうか。でもそうしたら……。


 大好きな颯太には出会えなかった。


「ゆーり」

「類斗……」


 確かに、蒼くんや颯太との日々も大好きで堪らない。でも類斗との思い出の方が色濃く残っている。


 それなのに、そうだから、そばにはいられない。


 この関係が行き着く先は……特にない。


 わたしは手を繋ぎながら目を閉じる。なんでやねん。なんでやー。


 隣を見ると、類斗も目を閉じて、泣いていた。それを見て、わたしも静かに涙を流した。


「やばー嬉し過ぎてさ、俺泣いてる」

「へ?」


 わたしは類斗の泣き顔を見て涙が止まらなくなる。


 類斗……類斗……わたし、類斗の全てが欲しいよ……。欲張りでどうしようもないね。最低なわたし。


「ゆりーゆりの泣き顔は見たくないわ」


 中学の裏門辺りの塀に、ふたり並んで座る泣きながら。


「ごめん、類斗が泣くから、わたしも涙出てきて」

「だって、嘘みたいやん、大好きなひとのそばにいて大好きって言ってもらえるのって」


 きらきらとした類斗の純粋な気持ちがまぶしすぎる。それに比べてわたしは……。わたしが拒否れば、元の生活に戻ってみんな平穏に暮らせるのでは? 類斗も正直こんなわたしといたらしんどいんじゃ? そんなマイナスなことばかりが頭をよぎる。


「ありがとう、そろそろ送るわ」


 今日ここでバイバイしたら、どれだけ気持ちが楽になるだろう。だけどその反面、後悔しか残らないだろう。


 だからわたしは……絶対に類斗を離さない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ