表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大好きな幼馴染との関係は不倫以上  作者: hitorigasuki
どうか、どうか

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/49

第40話 最後の

 それから店を移動して、串カツ屋に行ったあと解散した。いつものように、奏也が去り文香も家に帰り、わたしと類斗が残った。


 手を繋いで並んで夜の街を歩く。取り壊し予定の小学校の辺りを歩く。それから類斗とまた中学校に行って、底がないみたいに愛し合った。


「あっ……あっ……」

「ゆり……大好き……」


 真っ暗な中過ごす教室は、現実からはかなり距離があった。宇宙にいるみたいな不思議な感覚だった。もしここが宇宙なら、法律なんか存在しなくて、ただただ類斗と一緒に過ごせるのだろうか? 何者でもない、ただのひととして。生きるだけの行為をして。


「ああ……イク……」


 少しだけ顔を歪ませながら、類斗が果てる。それからすぐに後ろからまた入れられて、わたしは喘ぎ続ける。そして正常位でまた果てた類斗としばらく抱きしめ合って過ごす。


「俺、本気やから」

「うん……わたしも」


 それから、窓の外に雨が当たる音がして、あっという間に雨足が強まっていった。わたしたちは傘を持っていなかったので、しばらくくっついたまま何も話さずにそばにいた。


 そして、衣服を身につけて、座って外を眺めてから校舎を出た。


 冷たそうな、しとしととして雨が降っていた。わたしたちはずぶ濡れのまま歩く。


「やばいなー」

「ゆりーごめんな」

「類斗のせいちゃうやん」

「そうやけど、もっと早く帰らせたらよかったわ」

「大丈夫、大丈夫。帰ってすぐお風呂入るし」

「明日は旦那さん迎えに来るんやっけ?」

「うん……」

「よかったよかった、家まで送ってもらえたら安心やわ。ふたりも連れては大変やろ」


 この話題は話せば話すほど、類斗を傷つける気がしたから、わたしはなにも言えなかった。


「だけど、ここどうしても今日は来たくて。まあえっちなことしたかったのが1番の理由なんやけど、実は取り壊しの日が決まって、ここに家が何軒も建つみたいやねんなあ」

「ここに?」

「スーパーもこっち側に。嘘みたいやろ」

「そうなんや……どんどん変わるなあ」

「だから最後に、どうしてもここでゆりともう1回えっちなことしたくて」


 公園も学校も、思い出の場所がどんどん壊されて別の形に変わってしまう。寂しい気持ちでいっぱいやけど、でもわたしが何を言っても決まってることやしって変に冷静やった。


「類斗」

「思い出の場所がなくなっても、変わらへんで。わたしの気持ちは」

「うれし」


 そんな話をしてたら、わたしの家の近くについていた。わたしが中に入るまで類斗は見届けてくれた。そして、踵を返して、アパートに向かって行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ