第4話 もし……
薄暗い廊下を進み、わたしたちが過ごす部屋に入る。類斗が抱きついてきているから歩きずらい……。
類斗がドアを開けてくれる。ドアぐらい自分で開けられるのに……。
部屋は清潔感があった。わたしは小さなかばんをソファに置こうとしたのに、類斗に後ろから胸を優しく鷲掴みにされて驚いて手がとまる。
「類斗……もう……」
「あー気持ちい……柔らかい。ゆりの触れるの幸せすぎる」
類斗の手がわたしのシャツの中に入ってくる。
「あーいい匂い、ゆりやばい」
大きな類斗の手を感じるだけで、こっちの方がやばいのに。ドキドキと恥ずかしさといろんな感情が入り混じって、頭がパンクしそうだ。
ブラジャーの上から胸を揉まれる。それから少しズラされて、乳首をつねられる。ぎゅって抱きしめられてるから抵抗できなくて焦る。
「ん……」
「ああ、やばい可愛いすぎ。とまらへんわ……」
立ってられへんよ、ドキドキしすぎて……。類斗に触られるだけでおかしくなりそう……。恥ずかしいのに、もっとってなる。
「類斗……ドキドキしすぎて……立ってられへん」
「なんでそんな可愛いこと言うの?」
ひょいって抱っこされて、優しくベッドに倒される。
「続きするのもったいないぐらい綺麗……」
類斗がわたしに覆い被さる。目が合って笑い合う。
「大好き……」
「俺も、一生ゆりが好き」
幸せすぎて溶けそうになる。それからさらに甘い言葉をかけられながら、わたしたちは何度も愛を重ねた。
「うあ……ああああ!」
向き合ったまま体を揺らす類斗が綺麗でかっこよすぎて、そんな類斗の性器がわたしに入っていると思うともう恥ずかしさも興奮材料になるような気がした。わたしも大きな声で喘ぎながら何度もイッた。そのたびに類斗が嬉しそうに笑うから、なんかこの行為がセックスでもなんでもないものに感じたりもする。遊びの延長線のような……。
2回わたしの中で果てた類斗がにこにこしながら横になり、わたしを布団と一緒に抱きしめる。
「わたしたちの関係って、名前あるんかな?」
「名前……?」
「うん。家族、恋人、夫婦、幼馴染以上の関係の名前」
「なんやろなー。名前なんかなくても、俺は幸せや」
また口を塞がれて、それが耳や首にいって、胸に向かっていく。
こんなに愛し合っているのに、互いに離婚して一緒になろうとは言わない。類斗からお願いされたこともない。
わたしたちは不思議な位置で生きている。
再び硬くなった、類斗の性器がわたしの膣に入って体を揺らす。互いに溢れ出るなにかで、満たされていく。会えなくて、会いたかった日々が溶け出すみたいだ。
類斗の綺麗な裸には、一生残るであろう事故での傷と手術のあとが刻まれている。もし怪我がなかったら、類斗は遠いひとになっていたのかな?
「もし事故がなくてさ……」
「うん」
「怪我してなかったら、類斗はサッカー選手になってたん?」
「まー目指してはいたけど、なれたかはわからへんかな」
「プロになってたら、こんな風に会えなかったんかなって今考えてたら不思議な気持ちになってさ」
「なに言ってんねん。誰のためにプロ目指してたか……」
「お母さんのためやろ……?」
類斗に体を起こされる。そしてぎゅっと抱きしめられる。




