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大好きな幼馴染との関係は不倫以上  作者: hitorigasuki
どうか、どうか

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第23話 発表

 夜5時に家族でパーティ会場に出かけた。


「ほんまに大丈夫?」


 蒼くんはずっとわたしを心配してくれる。


「大丈夫、大丈夫」


 この場でラーのメンバーやスタッフに正式に2人目の妊娠を伝えて、それから関係各社に知らせることになっている。わたしなんかの妊娠に対して大事おおごとすぎて毎回震えそうになる。


 颯太は夜のおでかけに嬉しそうにしている。わたしと颯太は1時間ほどパーティに出たら、その後は帰ることにしている。寝かしつけの時間もあるからだ。


 颯太の時よりもつわりはだいぶマシだ。最近は特に落ち着いてきている。ただ美味しいと思う味覚や匂いに敏感になっているから驚くこともある。疲れやすくはなっていて、すぐに寝てしまうことも多い。


 貸切のレストランに入る。


「おーゆりちゃんも! 颯太も」


 ラーのメンバーはすでに来ていた。わたしはスタッフの方々にも挨拶に行く。


「嬉しい、女神〜」


 変わらないメンバーやスタッフからの歓迎に嬉しくなる。来てよかった。


 コース料理を食べながら、曲の話や音楽の話で盛り上がる。颯太はおもちゃや大好きなポテトを食べさせてもらって機嫌よく過ごしている。ドラムの雄偉ゆういくんも子供がいるためか、優しい目で見守ってくれて危ない物があるとどかせてくれるので助かった。


「ゆりちゃんも大変なんちゃう?」


 わたしの前に座っているボーカルの都馬とうまくんは、メディアではイキってるナルシストなんて言われっぱなしやけど、実際はまあモテるけど普通に優しいお兄さんだ。


「地元に戻らせてもらったりしてるから、そんなことないですよ」

「俺も結婚憧れるわ、ゆりちゃんとの。ははは」

「怒られますよ、彼女さんに」


 都馬くんは年上の女優 深山みやましずかと交際している。パーティに連れて来てくれた時は驚きすぎてびっくりしたのを昨日のことのように覚えている。


「ゆりちゃんのおかげで、蒼は作曲作詞できるんやから、まじで感謝の日々やで」

「そんなことないですよ」

「俺の女神やからな」


 颯太を挟んで隣に座っている蒼くんの腕がわたしの腰に伸びる。


「いまだにこいつ、早くゆりちゃんの飯食べさせろってうるさいんやから」

「いつでも来てください。おいしいかはわからないですけど……」

「やった、まじで楽しみにしとくわ」


 それからあっという間に1時間が過ぎてしまう。そろそろおいとましないと、蒼くんも気を遣って楽しめないだろうし……と思って、蒼くんに耳打ちする。


「あ、ごめんなさい。みなさん、すみません何人かには伝えてるんすけど仕事の関係で。ただ正式には明日発表しようと思ってます。私事で恐縮ですが、この度第2子を授かってまして妻が。一応冬前かな? 出産予定です」

「まじかよ」

「全然気づかへんし」

「おめでとう」

「やるなー蒼!」

「ますますがんばらなあかんやん」


 祝福の声をかけられる。なんか大人の男性たちにこう祝福されると申し訳なくなる。


「おめでとう、身体大事にね。今日は来てくれてありがとう」


 都馬くんが笑顔で声をかけてくれる。


「颯太が兄ちゃんか〜すげえ」

「そうなんです。ありがとうございます」


 わたしは颯太を連れて席を立つ。けれどすぐ後に蒼くんが走ってついてきてくれた。


「ちょ、待ってや」

「どうしたん?」

「颯くんもおるんやしさ、家まで行くよ」

「大丈夫大丈夫、夜ってだけでいっつも歩いてるんやし」

「あか〜ん。俺が心配やし、それにあいつらにも怒られるわ」

「ごめんなさい」

「謝ることないし」


 颯太と蒼くんに挟まれて手を繋ぎ歩く。


「また地方回ったりあるからさ、ごめんやで」

「大丈夫大丈夫」

「地元戻るやろ? 送ってくし俺」

「うん……ありがとう」


 途端に嬉しくなる。類斗に会えるって。

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