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第3話「カラン村」

ザッザッ


俺はイオの後ろ姿を見ながら森の中を歩きながら先ほどの出来事を思い耽る。

―『カイト様、分析した結果殲滅確率100%。殲滅が適正と判断致しております如何致しましょうか?』―

―『殲滅完了致しました』―

―『カイト様、この先にカラン村があります』―

―「腹へったな…とりあえずそこ行くか」―


あいつ(神)が言ってた裏切らないパートナーってイオで間違いないよ...な。


「なぁ、イオ。カラン村ってどういう所なんだ?そもそもここはどこだ?」

イオは歩みを止めることなく答えた。

『はい、カイト様。ここはレグラード帝国領内です』

『カラン村はヒュマリア国との境目付近の村で、特産物はメロンとなっております』

「メロンか、いいな。久しく口にしてないから楽しみだ。」

「ところでイオの武器は双剣か?」

『基本形態は双剣ですが、合体も可能です』

双剣がつながり、一本の刃となる。

『連結剣形態』

元に戻り刃が割れ―

『ハンドガンモードです』

「イオ、あとどれくらい着くんだ?」

『はい、現在時速3km~5km、所要時間6分です』

「もうちょっとか」


もう少しで森を抜けようかなという所で、

子供が倒れていた!

「おい!大丈夫か?」


「カラン村...が......盗賊に...」

「母ちゃ......助け......て」


俺は事切れた子供を抱き


「イオ急ぐぞ!」

『はい。かしこまりした、カイト様』

森を抜けて目に入ってきたものは―


「焼けてないか…?」


俺達は村に近くまで行きながらイオに聞いた。

「イオ、なんとかこの村を救うことは出来るか?」

『可能です。』


『ですが―助かる確率は0.2%。実行するとカイト様にご負担を強いらます』


『それでも、“実行”致しますか』


悩むことなんかない。少しでも、ほんの一握りでも命が助かるなら選択する。


「......それでもいい」


「頼む」


『―命令―確認しました』


『“最適解を実行します”』


イオから光を放ち機械の翼が生え


【D――Define(定義)】

【I――Integrate(統合)】

【V――Validate(検証)】

【A――Answer(解答)】


風の音と共に俺の視界からイオは消えた―

その直後―

イオは村の中心の空の上にいた


Deus ex Machina――起動


白い小さな球体が村に落ちた。


――静寂


......何も起きない。

風も、止まっていた。

時間だけが置き去りにされたみたいに。


―汗が頬を伝った。


次の瞬間―


光が、弾けた。

遅れて、音が来た。

激しい爆風が、すべて飲み込んだ。

「うわあああああああ!!!」

光が収束したあとには―

何もなかった。


“なにもかも、なくなった”


そこにあった家も、

盗賊も、

人すらも―


―音が、消えた。


世界が空白になった。


ただ一つ、

空から“それ”だけが降りてくる。

―この世界に存在してはいけないもののように。

白い光を纏い、

ゆっくりと。


......イオだった。


羽のように展開された機械の翼が、

静かに閉じていく。


その足が、地面に触れる。

焦げた大地。

焼けた匂いが、遅れて鼻を刺した。

消えた命の上に―

―そこに“何もなかったこと”にするかのように。

白い髪がわずかに揺れた。

血が、頬を伝っていた。

それでも。

拭おうともしない。

気にするようすもない。


ただ、与えられた処理を終えた“機械”のように。


イオは、こちらを見た。


『最適化―完了―』


......綺麗だ、と一瞬思った。

―その直後、吐き気と嫌悪感と罪悪感が押し寄せた。

視界が揺れる。

息が、うまくできない。

「俺は...なんてことを...」


声が、出ない。

俺の声は、出なかった。

...イオ。


お前は...

何を守ったんだ?


「イオ...俺は助けろと言ったはずだ...」

「なんなんだよ、これ!」

......答えろよ。


「なんなんだ!!」


イオはこちらを向き


『“助ける”処理を最適解として実行しました』


「お前の助けるはこれかよ?」


『0.2%最大限最適化結果です』


俺は地面に拳を叩きつけた。


叫んだ。

―何も、返ってこなかった。




ガサッ

「......今のは、一体......?」


俺は気づかなかった。


――見られていることに。

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