第2話「白き少女-AI-」
まぶしい。
......いや、違う。
光が、やけに近い。
目を開けると木漏れ日が射してた。
木の下で俺は目を覚まし起きて周囲を見渡した。
あるのはちょっとした湖だったので歩いた。
湖で顔を見て驚いた。
...誰?
それが俺だと認識したのは顔をペタペタと触って水面に映る顔も同じ動きをしたからだ。
高校くらいの時の俺に近いのか?かなり若返っていた。
水を手ですくって飲んだ、その時だった。
ガサッ
音がし振りむいた瞬間、そいつらと、目が合った。
―狼。
しかも一匹じゃない。
狼は縄張り意識が強く俺に襲い掛かってきた。
丸腰で何も持たない俺に。
息が焼ける。俺は息を切らしながら走り逃げた。
すると目の前に遺跡らしきところまでたどり着き、中にそのまま入ると
石の扉がありそれで塞いだ
爪でひっかく音と狼達の声がこだました。やがてその音はなくなり狼達が諦めていったみたいだ。
俺は大きく溜息をつき先があることに気づいて
気になって先に進んでた。
暗くて見えないから身体に手を当て探してたら使い捨てのライターがポケットにあった。タバコはなかった。
“調整”って、これか?
......いや。
こんなもののために、あいつはあんな言い方はしない。
火をつけ先に進むとさらに下へ
・
・
・
時間の感覚がなくなってた。
何分か、何時間かも分からない。
ただ暗い。
ライターのオイルも切れた。
真っ暗で何も見えない。
足を滑らせて3mくらい落ちた。
「痛ってー」
おしりをさすってた所に光が見えたので行くと
開けた場所に着いた。
「ここは?なんだ?」
さらに先にいくと扉がある。
扉には埃がついてたので手で払おうと触れたら扉が反応し開いた。
その先進むとそこにはカプセルの中には―
白い髪の女性、だった。
ガラスの中で、眠っている。
「......キレイだ」
そうつぶやくと反応しカプセルが白煙を上げながら開いた。
彼女の周囲から、微かな電子音が鳴った。
目を覚まし、こちらを見ていた。
次の瞬間―
彼女の腕が、俺の首の後ろに回る。
唇が、触れた。
驚いてる俺を横目にカプセルから出てきた。
『......契約処理、完了。』
『初めましてマスター。私は製造名”DIVA”―』
これが
―裏切らない存在―との出会いだった。
「ええと?DIVAさんって呼べばいいのかな?」
DIVAは言った。
『DIVAは製造名ですので名前ではありません。名前はないのでマスターが命名してください』
俺がいつの間にかマスターになってるのね。なんでか知らないけど。
「イオ......どうだ?」
少しだけ、不安になる。
―名前をつけるって、こんな感じだったか?
『インプットしました。製造名DIVA、個体名イオ。命名してくださりありがとうございますマスター』
頭をペコっと下げた。
「そのマスターって言うの辞めてくれない?俺のことは海斗でいいから」
『かしこまりました。カイト様』
互いに自己紹介が終わりイオが居たところからまた光が無くなる場所まで戻った。
イオは『ビット』一言言うとどこからともなく空中に丸い球体が出現した。
そこから光を出して遺跡の中が見やすくなった。
イオは出口を知ってるみたいなのか迷わず歩いてる。
イオの足が止まった。
『カイト様、こちらが出口でございます』
比べものにならない速さだった。
......いや、異常だ。
ゴゴゴと岩の扉が開いて光が一気に差し込んだ。
外に出ると眩しさのあまり手で覆ってしまった。
その瞬間―
ガサガサ、と草が揺れた。
そこから、先ほどの狼達が現れた。
『カイト様、分析した結果殲滅確率100%。殲滅が適正と判断致しております如何致しましょうか?』
俺はイオに
「...殲滅してくれ」
と命令した瞬間イオはものすごい速度で接近しいつの間にか双剣を手にしてる狼達を蹂躙していった。
戦いにすら、なってなかった。
まるで、踊ってるみたいだった―
時間にして10秒もないだろう
白い少女が、
赤黒く染まっていく。
そのことなど、気にする様子もなく―
ただ、
与えられた任務を終えたように。
イオが無表情でこちらに戻ってくる。
―血をはらうことなく。
一瞬、何も言えなかった。
『殲滅完了致しました』
......こいつは、本当に。
―“これ”は。
“裏切らない”のか?
―それとも。
......違うのか。




