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第26.5話「帝馬の嘶き―ラフェリウスの選択―」

――産まれた時から人生が決まっていた――


僕はレグラード帝国の王家に誕生した。

幼いころから退屈な想いで毎日を過ごしていた。

父上はおもちゃをくれるが、どれも面白くない。


“人は嫌いだ”


僕が王家の人間と分かると態度が変わる。


父上は人形を導入した。

この導入が僕の人生に置いて初めての楽しみになった。

王家だからと言って態度は変わらない。

感情すらない。

戦闘も命令さえあればこなす。


僕は父上に頼んで新設された帝国機巧学園に入学を許してもらった。


入学してからも、やはり僕が皇子だから目立つ。


その中で面白い人を見つけた。


――カエルム・ミウラ、

――リラ・バレーニ


この二人は人生で初めて僕の友達になった。


二人の人形に対する想いは面白いという安直な僕と違って本気だった。

僕は人形よりも彼らと接するのが目的になっていた。


そんな矢先、僕は知った。


この国の人形文化はオートノミア自治国からの支援あってこそ。


その条件も聞いた。


この国、レグラード帝国は、


“オートノミアの傀儡国になっていた”


僕は父上の命令で、結婚することになったが、

相手は人形の製造に関わる大量の鉱山を持っていたオズ家の娘のライラ・オズ嬢。


父上の命令と言ったが、

オートノミアのヘーラーからの命令だと僕が王になったときに知った。



私とライラとは愛があったのか分からないまま子が出来た。

新たな家族もでき、そのまま人生を歩むと思ってた。


家族が刺客に狙われた。


小さな手が、震えていた。

血で濡れた床の上で、必死に私の服を掴んでいた。


――失いたくない。


その時になって、私は一番大事な家族を失う恐怖を感じた。

狙われた理由も人形の支配を受けてる国の未来を案じて......とのことだった。


この傀儡化を排除しなければならない。


その為にはオートノミアと戦争になったとしても勝てる戦力がどうしても必要だった。

そこで目につけたのが古代人形だった。


これは王家しか知らない禁忌だった。

造ろうとしたがそれは頓挫した。


だからこそ、イオは絶対に我が国には必要だった。

その為なら主人を殺すことも厭わなかった。

だから誰かを犠牲にする。

その選択に後悔してない......はずだった。


――カエルムの死。


伸ばした手は、届かなかった。


友を失い、それでも前に進まなくてはならない。

もう止まることは出来ないだろう。


「これが正しい選択のはずだ」

「......そうでなければ、私は一体......」


「なぁ......カエルム」


ワイングラスを回した。


「......それでもやるのか、ラフェリウス」

そんな友の声が聞こえた気がした。


しばらく、何も言えなかった。


「あぁ。やるしかない」


「......そうか」

友と思われる幻聴は消えた。


残ってたワインを飲み干した。

グラスの中には、もう何も残っていなかった。

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