第17話「Soundless Nocturne—Op.62 No.1 -無音の夜想曲-」
――カイト達が王城に登城してる頃――
「こちらアル・シエン報告します」
「監視対象は現在、王城へおります」
――。
「......はい」
――。
「......現在は特に変わった様子はありません」
――。
「......このまま引き続き監視致します」
――、――、――。
「......かしこまりました。なにかあれば報告致します」
――。
「......確認されました。予定通りです」
――、――、――、――。
「了解しました、王はお任せ致します」
――。
「はい。こちらはお任せくださいヘーラー様」
「それでは失礼します」
通信を切り、城のほうを見た。
「これは仕方ないことです」
「運命は、もう既に決まってるのですよ」
眼鏡をあげ、その奥にはとても悲しい顔をしていた......
「さて、こちらも動きましょうか」
マントを翻し歩き始めた。
・
・
・
......ここは
牢か
......そうか
捕まったのか
脱出方法は3つ
だが成功率は低い
......非効率だ
――内部ログ
感情抑制:安定
思考最適化:稼働中
対象:K-0
状態:正常
ジャラ――
牢屋に響く鎖の音
「......カイトさん?」
「カイトさん......大丈夫っす......か?」
「――問題ない」
「......え?」
「カイトさん、悔しくないっすか?」
「あんなことされて......」
「......必要な判断だ」
「......カイトさん?どうしちゃったんっすか?」
「俺の剣はどこだ?」
頭が痛い。
トレイターを探す。
「カ、カイトさん......」
アタシは初めてカイトさんに対して恐怖を抱いた。
……違う
この人、カイトさんじゃない
――内部ログDIVAプロトコル:完了
対象:K-0
再評価中――
……エラー
未定義感情:検出
「みんな捕まってどうなるか分からないっす」
「なんで......」
「裏切りは発生する」
「確率的に当然だ」
「だから俺はイオを――」
......
(――処理停止)
ズキッ
頭が――痛い。
「......そんな人ばかりじゃないと思うっすよ」
気づいたら涙が溢れてた。
「......アタシは裏切らないっす」
「だから――」
これ以上は言葉が繋がらなかった。
今のカイトさんにはきっと届かないと思うから。
――内部ログ
感情抑制:安定
思考最適化:稼働中
対象:K-0
状態:正常/定義外
――レグラード王城:皇子の執務室にて――
オレはカイトに刃を向けた。
王に刃を向けたのだからそれは仕方ないことだ。生きてるだけマシなほうだ。
けれど、王......父上がしたことは本当に正しいのか?
確かに守る為とはいいカイト兄さんが大切にしてる人形をあんな乱暴に、
父上らしくない。
一体あのイオって人形に何が?
「ハーレ」
「はい、ここに」
「イオという人形と父上がこれから何をしようとしてるのか、」
「キャッツロイ(高貴な猫)で調べてくれないか?」
「はっ、かしこまりました」
ハーレ(キャッツロイ)にも調査を頼んだ。
猫に任せておけばひとまず安心か。
あのときは怒りに身を任せて剣を振ってたけど、
筋はよかった。
けれどなんだか様子も少し変だった。
……あの目
あれは、人を斬る目じゃない
......“何も見ていない目”だ
「......カイト兄さんと話したいな」
――内部ログ
対象:K-0
最適行動候補:更新
――優先対象:イオ
―王宮地下の人形工房の研究所―
「あれから反応あるか?」
「いえ、反応なしです」
「ただ、内部プログラムが更新されてます」
「しかしアップデート完了にならないみたいです」
「どうやら何かしらの形でプロテクトされてます」
「もう少々お時間をください」
「致し方ないか......(ログは動いてるのに)」
――内部ログ
対象:K-0
再評価結果:――未定義
月明りだけが、そこに在った
――無音




