18.キャバクラ編 実家に帰る/嘘を付く①
「「「「・・・3.2.1,あけおめーー!!!」」」」
初めて指名をコウジさんからもらってから、早いもので
もう年が明けてしまった。
コウジさんは初めて指名を頂いた次の日から毎日通ってくれている。
コウジさんの他にはまだ指名のお客さんは居ないけど、なんだかんだで仕事を頑張っていた。
ドレスも4着ほどさきさんが教えてくれたお店で買った。
今の所私の給料はほとんどドレス代で消えそうなほどだった・・・。
実際には給料はまとめて月末にもらうし、払ったのは貯金してたところからだけど。
一方の彼とは相変わらず朝の一瞬に顔を合わせるくらいで、とくにやり取りもしてなかった。
新年ということもありいつもよりお酒を飲んでベロベロに酔っ払ったコウジさんが、
「お前は明日から休みの日なんかすんの?」
と笑いながら聞いてきた。
「特に用事はないけど実家に帰ろうかなと思ってます。だいぶ会ってないので。」
「ふーん、実家って遠いの?」
「いえ、歩いて3分です。(笑)」
「ちっっっっっっか(笑)」
「ですよね(笑)どうしても一人暮らし賛成してくれなくて、10分以内ならと渋々了承もらったんです・・・。」
「てか、なんで家でたの?実家近いなら住んでればよかったじゃん。」
「うーん、私実家にいるとき本当になんにも出来なかったんで・・・何でも自分でできるようになりたいなと思っていえでました。!(笑)」
「真面目かよっ!」
「真面目ですっ(笑)」
___その後
ベロベロのコウジさんをお店の外まで見送りいつものように着替えて帰ろうとした。
「あ、みつきちゃん待って!」
店長に呼ばれて振り向くと、椅子に座るようにジェスチャーされた。
「なんでしょうか?」
「8日分のお給料!まだ渡してなかったから!受け取って。・・・・最近さ、慣れてきていい感じだね!今日までお疲れ様。休みなく働いて疲れたでしょ。」
そう言いながら店長はお金の入った封筒を渡してきた。
「ありがとうございます。家に居てもやることなかったので・・・。」
私は封筒をバックにしまいながら答えた。
「お店はさ、10日まで休みだからゆっくりしててね?あと封筒の中に明細入ってるから確認してね。」
「はい。ありがとうございます。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
しばらく沈黙が続いた。
「えっと・・・帰っても大丈夫でしょうか?」
「あ、うん。ごめんね!気をつけて帰って!」
「はい。では良いお年を!」
「良いお年を!!!」
店長に挨拶した後バックヤードに残っているみんなにも
「良いお年を!」
と挨拶して帰った。
帰りの電車で私はこの8日間を思い返していた。
ていうかあんなに濃い毎日だったのに8日しか経っていないのか・・・・。
なんだか彼と顔を合わせたくなくて家に帰るのが嫌だった。
でもお正月で家にいるしな・・・・。
ていうか彼氏なのに会いたくないって結構やばいのでは・・・・。
そう思いながら家につくと彼は居なかった。
「あれ?居ない???」
てっきり寝てるか、こたつで携帯でもいじっていると思っていたので居なくてびっくりした。
「どこにいったんだろうか???」
なぜこんなに居ないことが不思議かと言うと、
自分の彼氏を悪く言うのは嫌だが、彼には友達がいない。
え?一人くらいはいるでしょ?と思う人もいるかも知れないが驚くことに0人。
私も付き合い始めて知った。
知り合いは沢山いるけど友達は居ないとある日私に言ってきた。
そうなんだ。と軽く返したが今思うとおかしくなってくる。
友達が居ないなら実家に帰っているのでは?
とも思うかもしれないがそれも無い。
なぜなら彼は両親と絶縁しているからだ。
なぜ絶縁しているかは聞いてもはぐらかされて教えてくれなかった。
なので基本的には彼は仕事しているか家にいるかの2択。
お正月は仕事も休みなのでこんな朝早くから居ないのはおかしかった。
とはいえ、顔を合わせたくなかったので少しホッとした。
私はお風呂に入り、こたつで午前中をダラダラと過ごした。
「・・・・もしもしお母さん?うん、うん・・・元気。今日これから帰るわ。」
お母さんに電話をかけて実家に行く約束をする。
パジャマ同然の格好だが、実家はすぐそこなのでジャンパーを着て実家に向かった。




