18.キャバクラ編 実家に帰る/嘘を付く②
「ただいまー・・・・。」
「あ、おかえりー。」
実家では双子の妹と母が小さいこたつに入って温まっていた。
「お姉ちゃんあけおめー。お年玉くれ。」
そう言って双子の姉比奈が手を出してくる。
その動きに便乗して妹の友奈も手をだしてくる。
私は二人の手をバシバシと力強く叩き、
「そんな物ありません。」
と返した。
「じゃ、お層にでも食べる?」
とお母さんが立ち上がった。
「お腹すいた・・・。」
そう言いながら私がこたつに入ろうとすると、
「手を洗え手を!」
とお母さんに怒られてしまった。
「へいへい・・・。」
そう言いながら手を洗いに行く私。
その後はお雑煮を食べながら軽い近状報告会のようになった。
「友奈達はもう高校生か〜はやいね・・・。」
お母さんがしみじみ言いだすと私も合わせてうなずき
「あんなにちっさかったのにね・・・・。」
「そういえばおねえちゃん、彼氏は?」
「あー・・・友達と遊びに行っちゃった。」
「えー?彼氏友達いないって言ってたじゃん。あやしー。」
「ねー。あやしいね。ウワキじゃないの?(笑)」
困っている私をみてお母さんが
「やめなさいよ・・・。でも挨拶来ると思ったわ。」
「まあ、そのうち・・・・。」
と話をそらそうとするとすかさずお母さんが
「あんた達結婚するの?ていうかあんた今ずっと家にいるの?なかなか返事帰ってこないから心配になるわ・・・・」
と質問攻めにあってしまった。
今キャバクラで働いてますなんて絶対言っちゃいけないと感じとっさに嘘をついてしまった。
「結婚はすると思う・・・。今は私は都内でアルバイトしてるよ。深夜のレストランの厨房で・・・。」
「ふーんそうなの?今度食べいこうかな?」
「は、恥ずかしいから来なくていいよ!しかも私は深夜だから来ても帰りの電車無いよ?」
「あっそう・・・・。まあ今度紹介して。」
「うん、今度ね。」
お母さんはかなり不審がっていたがなんとかごまかせた。
その後は他愛もない話になり嘘をついて心苦しくなり私は泊まらずに家に帰ることにした。
「泊まってかないの?」
「うん、彼氏待ってるし。あとで挨拶はくるから。またね。」
「気をつけてね。」
「はーい。」
私は実家を出て家に帰った。
初めてお母さんに嘘をついた。
真面目が取り柄だったのに・・・。
なにが正解かわからずに生きていた21歳の私は寒い夜道をゆっくりあるいた。




