表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
395/508

第45.5話 永劫残滓3.5


 長いので分けました。



ーーーー


 ニーチェがロクシリーヌ母様を殺そうとしている。

 アサシンバグの命令で……


 アサシンバグさえなんとかすれば、

 こいつさえ抑え込めれば……



 無理だ。こいつは見透かしている。アタシがどのような行動を取るかわかっている。

 だからアタシの最愛の母様を人質にとっているんだ。



 たぶんだけど母様は死なない。

 死ぬ寸前まで追い込んで

 もっと酷い目に合わせるつもりなのだろう。


 過去でアサシンバグに逆らった奴がそうだったから。


 アタシの軽はずみな行動の結果……母様はずっと悲しんだまま生活しなくてはならない。


 そんな光景はもう見たくない。


『アタシが……魔法を止めれば母様を無事に……毎日笑ってくれるの?』


 天秤にかけるまでもなく柊心はもういいや。死に様はたくさんみたし、そもそも百回程度だけど生き残れる未来なんてなかったし。


『ダメだな。お前が後先考えずに魔法を使用したせいで見知らぬ一般人が死んだんだぞ?だから拙者もさして何も考えずロクシリーヌを殺す。その先の事など知らん……マキナと何一つ変わらん。同じだ』



『アタシのせいじゃない!アタシが何もしなくとも柊心は勝手に死んでた!でもロクシリーヌ母様はお前の命令のせいで殺されるんだろうが!』


『一理あるな……ニーチェ、先程の命令は破棄する。しかしロクシリーヌを殺せば休暇はやる。殺してタウロス殿に会いに行くも良し。放っておいてタウロス殿が他の女と仲良く喋る様子を見続けるのも良し……これでニーチェが勝手に行動するだけで拙者は関与しない。満足したなら消えろ』


「待って!待って!すぐにロクシリーヌを見つけて殺すから待ってて!……見つけた!」



『時間切れだな。これからはマキナが時を戻したと同じ数だけロクシリーヌが死ぬ……。貴様はまだ此処に居るつもりか?邪魔しかせん奴は必要ない。二度と来なくていいぞ。そのうち誰かを殺しに向かわせるから好きなだけ時間を戻して遊んでいろ』

『ふざけるなよ!ここでお前を殺してやる!一人じゃなにも出来ないクソ雑魚野郎——グェッっ!……あぐぅぅ……ぃぎぃぃあぇ』


 魂の半分が握り潰された。

 アサシンバグはなにもしていない。

 後ろからだ。


 ニーチェが世界の一端を見つめながら手のひらだけをアタシに差し向けている。


「アサシンバグが死ぢゃったらまたヘリックスが命令権を持つ。そしたらあっしはタウカスに会えなくなっちゃう。邪魔するなら先にマキナから殺してやる。アサシンバグ……許可ちょうだい」


『やめておけ。マキナはそこまで馬鹿ではない。そうだろう?』


『……なにをすれば……いいの?』


『少々の介入ぐらい許可を出す。魔法を発動させて柊心が死なない過去を探してこい。無事に事を成したのならロクシリーヌは普段と変わらない日常を送らせてやる』


 コクリと頷いた。

 気に食わない。このなんの力もないクソ野郎……


 なにが少々の介入だ。

 そんな身体あるのならとっくに母様や義父様に会いに行ってる。

 アタシが介入出来ないのを知ってて言ってるんだ。



 アサシンバグ……

 いつか死ぬよりも酷い目に合わせてやる。

 どうせならアタシの手で……?



「アタシに手が……ある?なんで?」



『……今日呼び出したのは普段から真面目に任務をこなすマキナに褒美代わりの転生体を与える為だ。誰かもわからん人物に執着するぐらい暇なら両親に顔を見せてやれ。会うのは自分が蒔いた種を刈り取った後になるが』


『ありがとうアサシンバグ!あっ!でも母様みたいな可愛い姿でしょうね!?この姿なら母様と義父様にも視えるから話しかけてくれるかな?』


『それはマキナ次第だ。ニーチェはロクシリーヌを殺すなよ。これは命令だ』


 アサシンバグは基本的にいい奴だ。

 仕事を真面目にやってれば飴を沢山くれる。

 ヘリックスがあたしに身体をくれた事なんて長い過去の中で一度もなかった。


 代わりにバツを喰ったのが命令をこなせなくなったニーチェだ。今は膨れた顔のままアサシンバグを睨んでいる。


『そんな顔をするな。拙者に二言はない。マキナが事を終わらせれば休暇をやる……早く終わってほしければ手伝ってやれ。しかし魔法は絶対に使うなよ』



 うわっ。魔法が使えないニーチェとか本当に必要ない。

 事情は何となく知ってるから転移は大丈夫なんだろうけど……本当に邪魔かも。


 本人は知る由もなく満面の笑顔で身支度をし始めた。

 ……って言っても帽子かぶって箒持つだけなんだけど。



「……うんっ!アサシンバグはタウカスから話しかけてくれる方法考えといて!」

『承知した』


「もいっこ!タウカスからじんこー呼吸してくれるようにして」


『承知したから早く行って——』「まだある!タウカスに話しかける女だけを殺す魔法考えて許可もちょうだい!下に降りたらすぐ使うから」



『承知出来んな。拙者の気が変わらん間にさっさと行ってこい』


 ついさっき二言はないって言ってたのに。




 気にしても仕方ないし答えなんてアタシにはわからない。

 でもずっと気になっている。


 アサシンバグは世界を見下ろせない。

 なのにどうしてアタシの行動を把握出来ている?

 何故魔法を使った事がバレた?


 世界の事を他の人たちに逐一報告させているのは知っているけど……アタシの事も……誰かに見られている?

 

 そんな事考えてもすぐに忘れるのが得策だ。

 アサシンバグについて調べたらいけない。

 アサシンバグの部下が何人いるのかを調べてもいけない。


 それがバレたら……叛逆とみなされる。

 そして叛逆者をアサシンバグに報告したら……


 それを報告した奴は願い事を叶えられている。

 ヘリックスとは違う。

 シグお婆様とも違う。


 今は食べられちゃった神様のように願い事を叶えている。

 アタシも……叶えて貰いたい。




「ねぇ。アサシンバグに一個聞きたいんだけど」


 アサシンバグはやれやれと言った表情をしたがほんの一瞬、すぐ様真剣な顔付きに変わった。

 アタシの質問に真面目に答える気なのだ。


 どうせ知ってるだろうけど、ご褒美欲しいから報告だけしておこっと。


「イズヴィっていつから魔法使えるよう許可を出したの?」

『……許可は出していないが禁止もしていない。イズヴィ自身も魔法は使わず生活したいと言っていたからな』


「ふ〜ん。だったらもういいや」

『待て、詳しく話してみろ』


 あれ?ひょっとして知らないのかな?

 でもコイツは前もって知っててもこんな態度取るから安心出来ない。


「詳しくもなにもイズヴィの魔力があったから気になっただけ。アタシが沢山魔法を放てたのもイズヴィの魔力残滓を集めたからだし。まだまだ沢山あるよ。なにかする事ある?」



『余計なことは考えるな。マキナは今の仕事に全力を注げ。その件はこちらで調べておく……ふむ。報告の手間賃としてロクシリーヌが喜びそうな道具を貸してやろう。貸すだけだから絶対壊すなよ』


 

 常に表情の読み取れないアサシンバグだがこの言葉だけは本心からの言葉なのだろう。

 

 貸し出された……なんだこれ?【世界一のお団子屋】と書かれた変な家?を絶対に壊してはいけないのだ。





ーーーーおまけ 人物(浮遊霊)ーーーー


 マキナ・ヘロー  享年 沢山あり過ぎて不明。


 筋力 なし 筋力どころか肉体がない。

 敏捷 Gー ふよふよと漂っている。

 体力 なし 母親、義父の二人が死ねば自分も消える。

 精神 Eー 恨みを全然忘れない。九割が逆恨み。

 魔法適正 S 身体がないのでまともな魔法は使用不可。

肉体はジュデッカの使い捨ての道具として保管されている。




 得意魔法  ドライブ(時間操作)

 世界の魔力を使う時間操作を完璧な手順でこなす事が可能。手順は簡単でもシグが気に入らなければ即座に消滅する事を知っているので普通は誰もやらない。ガソリンを充満させた部屋で半熟の目玉焼きを作るかんじ。




 この世界では珍しく両親の才能から産まれた天才。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ