22話 そして受付嬢の貞操は?
予約投稿するの忘れてました。
どうもみなさんこんにちは。いつもニコニコあなたの隣に這いよ――ゲフンゴフン! すいません、何か受信してました。冒険者の街と呼ばれるトレイズの街、そこにある冒険者ギルドの受付……もとい、冒険者ギルドで一番可愛い受付ことリコレットです。あ、すいません嘘ですだから先輩睨まないで。
コホン。今日もよいお天気でいい一日になりそうだなと思いながら受付にやってくる冒険者を捌いています。
クエストを受けに来られた方や完了報告に来た方達だけならともかく、ギルドの受付にはナンパ目的の冒険者が後を絶ちません。受付はギルドの看板と同じというギルドマスターの意向により全員が見目麗しい女性となっています。もちろん私もその中に入りますよ?
そして付け加えるなら受付嬢は全員が元Cランク以上の冒険者で私もその例に漏れません。
そんな私に今日もしつっこくナンパを慣行してくる冒険者がいます。名前は……たしかノポンさん。最近Dランクに上がって有頂天な人です。たまにいるんですよね、ランクが上がると自分は凄いと思いこんでしまうアホが……。
Dランクなんてこの街には言い方は悪いですが掃いて捨てるほどいます。受付嬢をナンパするならせめて同格のCランク以上になってからしてもらいたいものです。
そういえばこの前同僚のアンナロッテがBランクの冒険者の方と結婚して退職していきましたっけ……。お相手の男性は結構イケメンで人気のあった人だったと記憶しています。正直私の好みではないのでどうでもいいのですが……。
ハァ……結婚ですか……羨ましいと言えば羨ましいです。私だって今目の前で私をナンパしてるのがこんな小物感あふれる街のチンピラと同レベルの冒険者じゃなくて、ランクは低くても良いですから将来性がある年下の男の子だったらよかったのに。運命の出会いってそこらに転がってないですかね。
ノポンさんを次の人がいるという正当な理由でもって追い払うと次の冒険者の方がやってきます。どうやら常設型の討伐クエストに行くようです。手続きは簡単なのでちゃっちゃと終わらせて次の方。
やってきたのは結構私好みの年下のヒューマンの男の子、それと男の子と仲良さそうに手を繋いでいる小さな獣人の女の子でした。
このトレイズの街は他の国と違って種族による差別が一切ありません。その所為かトレイズの街周辺にある村々もその影響を受けていろいろな種族の人が生活しているため、目の前の二人のような組み合わせはたまに見かけます。
まだ少年らしさを残した黒髪黒目というどっかで聞いた事のあるような特徴の男の子なんですが、更に私が注目したのは隣にいる女の子です。膝裏まで伸びた菫色のウェーブ上の髪、伸ばし放題と言っても良いような見た目なのに髪が痛んでる様子は一切ありません。顔は前髪で隠れがちになってますが時折除く素顔は絶世の美少女と言っても過言ではないでしょう。正直私では逆立ちしても勝てそうにありません。
そんな可愛らしい女の子がギルド内にいるのです、ギルド内の男性冒険者は元より女性冒険者、ひいては受付嬢まで彼女に見入っていました。
男の子の方はともかく女の子の方はまだ幼いともいえる外見です。私はてっきり冒険者登録に来た新人ではなく依頼に来た方だと思っていたのですが……まさかの冒険者登録に来た方でした。
まあ孤児等に街中の雑用という名のクエストを受けてもらうためにGランクという冒険者見習い的なランクもあるので問題がないと言えばないのですが……いささか小さすぎやしませんかね。
とりあえず二人に記入する為の用紙を渡します。この街、いや周囲の国々も含めて識字率はそれほど高くありません。冒険者の方々も最初は読み書きできない方が多いですが仕事に必要なので次第に覚えていきます。
男の子の方、名前をユウさんと言うらしいですが彼も自分の名前を書けませんでした。まあこれはあまり驚く様な事ではないのですがまさか幼い女の子の方、ウィオちゃんが書けるとは思ってもみませんでした。しかも私より字が綺麗……。
ウィオちゃんの方は職業が治癒師と貴重な能力を持っていて更に驚きましたが、ユウさんの方がある意味驚きでした。職業が、まさかの拳闘士です。
拳や脚を武器に戦う方々も確かにいますがそういった方々は総じて重量級です。どちらかと言えば痩せ形のユウさんでは合わない職業だと思うのですが本人は自信ありげでした。
お二人の必要事項を記入し終えギルドの謎機械に記入用紙を入れると冒険者ギルドのギルドカード出てきます。ホントにどうなってるんですかねこれ。
注意事項と簡単なランクの説明を終えて終了――と思ったところで問題が発生しました。なんとさっきあしらったノポンさん――もうノポンでいいや――がユウさん達に絡んできたのです。本当に迷惑な人です。
しっかりとパーティメンバーまで連れて道を塞ぐとか何考えてるんでしょうかね。ギルド内ではギルド員同士の揉め事は当然御法度です。下手をすれば冒険者資格の剥奪だってあり得るのにほんとにプライドだけ高い考え無しは嫌になります。
もうこうなったら実力行使して止めてしまいましょうか……そう思って受付の下に隠してある現役時代の暗器を取り出そうとしたところで上の階からギルドマスターが降りてきました。
相も変わらず扇情的な格好で見てるこっちまで恥ずかしくなってきます。当然ギルド内の男性冒険者達はギルドマスターの艶姿に夢中です。あ、一人パーティの女性冒険者に殴られた。
年頃の青少年には目に毒かと思いきやユウさんはギルドマスターの姿を見ても平然としています。慣れているのか守備範囲外なのか……。なんとなくどっちも嫌です。
それにしてもギルドマスター……てっきり諍いを止めてくれるのかと思ってたらGOサインを出すとか……。
率先して訓練場へ向かうギルドマスター達の姿を私は見ている事しか出来ませんでした。それにしてもユウさん、いくらなんでも仮にもDランクの冒険者をワンパンKOは言い過ぎだと思います。
ユウさん達が訓練場に行ってから私はどうしても気になって仕事が身に入りません。ちらほらと現れる冒険者の方々への対応もおざなりになってしまいます。
仕方ありません、ええ仕方なかったんです。堪えきれなくなった私はすぐさま仕事を先輩に押し付け訓練場へ向かいます。後ろから先輩の声が聞こえてきた気がしますが……幻聴です。
ところ変わって訓練場、すでに決闘が開始されようとしていました。
観客席ではギルドマスターの隣にいるウィオちゃんが女性冒険者に揉みくちゃにされながらも精一杯応援しています。非常に微笑ましいです。
それにしてもユウさん変わった構え方をしますね。極端な前傾姿勢であんなので戦えるんでしょうか。そう思ってた時期が私にもありました。
試合開始と同時に弾かれたように一直線にノポンへと迫るユウさん。一体どうやったら初速からあんなおかしい速度がでるんでしょうか。
ノポンもかなり動揺しているようで振り下ろした剣に体重が乗っていません。あっさりとユウさんに避けられ腹部に強烈な一撃をもらって……倒れてしまいました。
え……? 嘘……仮にも金属を使った鎧を素手で……? どうなってるの……?
私の頭の中を終わらない思考がグルグルと回り続けます。だから私は気が付かなかったんです。
ギルドマスターが思考に没頭している私の背後に回り込み胸を揉み始めたんです。それも念入りに。
突然のギルドマスターの奇行に混乱した私は目の前にいるユウさんに羞恥心からつい悲鳴を上げてひっぱたいてしまいました。本当にすいません。
そしてその後がいけなかった。ギルドマスターがユウさんに話があると言うので好奇心でついていったのですが……結論から言いましょう、行かなきゃよかった。
そこで行われた会話は機密たっぷりめちゃヘビーな内容でした。もし誰かに漏らしたりでもしたら……私、消されちゃいます。
いろいろと想像して処理が追いつかなくなった私はとうとう気絶してしまいました。
目を覚ますとそこは見慣れない部屋、窓の外は夕日色に染まっている。気絶する前の状況から考えておそらくギルドマスターの仮眠室のベッドの上だというのは簡単に想像がつきました。それだけなら良かったんです。いやまあ良くはないですが。
目を覚まし起きた私はなぜか生まれたままの姿、端的に言えば全裸でした。そして私の隣にはこちらを見ながら艶然と微笑むギルドマスターの女の私から見ても美しすぎる蠱惑的な裸体ががががががががが!
何があったんですか! 私が気絶している間にいったいナニがあったんですか!
正直、怖くて聞けませんでした。
次回は宿屋に到着します。
とうとうストックが尽きました。次からは書き上がり次第その日の22時に投稿します。できるだけ早く投稿できるようにがんばります。




